秋のフィレンツェ
9月某日、秋晴れの朝にフィレンツェの街へ。
フィレンツェは青空の下の美術館と言われるように、通りを歩いているとあちこちで美しい建築や彫刻に出会う。そんな目を奪う素晴らしい建物も楽しいが、ふとした景色も心に響く。
私は本屋が好きだ。本を読むのもそれなりに好きだが、読書家といえるほどではない。それよりも本に囲まれていると落ち着くのだ。読んだ気になるから、惹かれる理由はきっとそこであろう。
本屋、そこに古本もあれば尚更に私の中で絵になる。写真撮ろうと思いカメラを向けると、それに惹かれたようにカップルが店頭を覗いた。え?ちょっとどいてよ!と思ったものの、それがまた良い感じになった。
フィレンツェの歴史地区の通りには大きな扉を持つアパートも多い。扉が大きければ大きいほど、この中どうなってるのかな?と気になる。木製扉も良いが、このような鉄扉も魅力的である。鉄の模様の間から見えるのは、だいたいにおいて中庭だ。そこに緑があれば最高に素敵だ。
通りの先にチラリと見える、そんな姿も忘れてはならない。ドゥオモのレンガ色のクーポラが一番絵になるだろうが、たまにはジョットの鐘楼も。
観光客の波が少ないからか、観光馬車の数が多いからか、馬車がドゥオモの正面にも止まっていた。馬車の御者をフィレンツェではFiaccheraioと呼ぶ。
気候の良い時期ならば馬車でフィレンツェの街を巡るのも楽しかろう。結婚式で使用するのも素敵だし、馬車の上でアペリティーボもできるらしい。
フィレンツェで、現在ライセンスを持つFiaccheraioは12人しかいない。動物愛護団体や5つ星運動政党から動物虐待と非難されているのだが、特に真夏の広場で待機している馬たちを見ると、重い荷馬車を引かされ苦しいほど暑い中で実に可哀想である。それならばと、最近、フィレンツェで小さな電気自動車やトゥクトゥク(自転車タウシーというのかな?)を見かけるが、それは美観を損なうのとタクシーやガイドなどのライセンスも関係してくるので禁止して欲しい。セグウェイやコロナ以降人気のある自転車ツアーもあるけれど、徒歩で巡るフィレンツェが一番良いと思っている。フィレンツェは隠れたようにあるお店を覗いたりあっと思う瞬間の写真を撮ったり、魅力的な偶然に出会える街である。
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