ラヴェンナの初期キリスト教建築物群
ラヴェンナ訪問。
ラヴェンナの初期キリスト教建築物群として世界遺産に登録されている8つの建築物の内、7箇所でモザイクを堪能できる。3月と5月にご案内したフィレンツェ発ツアーでは、これらの7つを巡った。
ラヴェンナの初期キリスト教建築群は、以下の4つの項目に値することで世界遺産に指定されている。
- 人類の創造的才能を表す傑作である。
- ある期間、あるいは世界のある文化圏において、建築物、技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展における人類の価値の重要な交流を示していること。
- 現存する、あるいはすでに消滅した文化的伝統や文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示していること。
- 人類の歴史の重要な段階を物語る建築様式、あるいは建築的または技術的な集合体または景観に関する優れた見本であること。
なるほど、ラヴェンナのモザイクが私たちに伝えるのは、その煌めく美しさもさることながら、美術史の重要な一節という証拠である。そして後世の芸術家に多くの影響を与えている。
ラヴェンナのモザイクが制作された時代は、ラヴェンナの支配が西ローマ帝国、東ゴート王国、東ローマ帝国と変わった過度期であり、それとともにキリスト教の表現を模索した時代である。
煌煌としたモザイク画から一貫して言えることは、この時代のキリスト教の表現は「美しき神の国、平和な天国」に尽きる。そこへ辿り着く旅券は、正しいキリスト教徒になることのみ。
キリスト教徒でないモザイク鑑賞者も、中世のように苦しみのない世界だから観ていて本当に楽しい。
ラテン文明が次第に消滅し、そこにビザンツ文明が取って代わった時代だ。再び、ラテン文明が復活するのは、ルネサンスを待たねばならない。
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