サン・マリノ共和国

9月サン・マリノ共和国へ

9月にリクエストを頂いて、サン・マリノ共和国へ。フィレンツェからアペニン山脈を越えて、アドリア海方面へ車で約3時間。遠方といえばその通りなのだが、国境を越えて高台に聳える塔が見えたときは、はるばる来た甲斐があったと思う。

サン・マリノ共和国 グアイタの塔

世界遺産のサン・マリノ共和国は、現存する共和国の中でもっとも古い歴史を持つ。そして、四方をイタリアに囲まれた世界で5番目に小さな国である。独立を長く維持しているサン・マリノ共和国にとって、何よりも大切なのが「自由」。その自由を守る為に建てられた3つの塔は、1つ目をグアイタの塔と呼び、グアイタとは見張りをするという意味を持つ。

魔女の峠

グアイタの塔から魔女の峠を通って、2つ目の塔へ向かう。第2の塔はチェスタまたはフラッタの塔と呼ばれ、3つの塔の中でもっとも標高の高いところにある。

サンマリノ共和国からアドリア海を眺む

サン・マリノ共和国は9つのカステッロと呼ばれる自治体に分かれている。その中で私たちが訪れたのは、ティターノ山の山頂に築かれた、サン・マリノ共和国の中心部となる歴史地区サン・マリノ市だ。

標高約750mのティターノ山からの絶景は忘れられない思い出となろう。雲が影を落とした向こう側に海水浴場で知られるリミニの町が広がり、その先は淡い群青色をしたアドリア海である。

サン・マリノ共和国第二の塔

チェスタの塔の入り口は迫力がある。威厳ある城の内部は、15世紀から17世紀の武器甲冑博物館となっており、約700点が展示されている。

第二の塔の門

第2の塔の門から、第1の塔を振り返る。この日はイベント開催のため(結婚式?)、第1の塔に入場できなかったが、本当に絵になる塔である。

サン・マリノ共和国自由の広場

サン・マリノ共和国の政治の中心地、自由広場のプッブリコ宮殿と、広場の中心に立つのは、サン・マリノ共和国の自由の女神。自由の女神といえば、19世紀にフランスで造られニューヨークに贈られた像が有名だが、時を同じくしてサン・マリノの広場にも、頭上に3つの塔を冠する自由の女神像が設置された。以後、カッラーラの白い大理石で造られた自由の女神は、サン・マリノ人の自由を見守っている。

サン・マリノ共和国護衛兵

プッブリコ宮殿の前に立つ城塞警備隊。カラフルなユニフォームが格好良い。14時30分から護衛隊の交代が毎30分で見られるというので楽しみにしていたが、この日は行われなかったのが残念だ。結婚式のため???

サン・マリノ共和国のドゥオモ

聖人の聖堂は、サン・マリノのドゥオモである。サン・マリノで聖人とは、4世紀にサン・マリノを建国したと言われるキリスト教徒の石工マリーノのことを指す。

教会の主祭壇には、大きく聖マリーノが飾られている。その上に、小さいキリスト磔刑像が掛かっている。この比率、なんとも面白い。

19世紀に改築された新しい教会なので特筆すべきことはないものの、ウェッジウッドのジャスパーを彷彿とさせる堂内はとても品良く美しかった。

サン・マリノ共和国の街角

トスカーナの田舎の村に比べると街並みは少し情緒に欠けると言えるのは、タックスフリーを売りにした空港の中のようなお店や昔ながらのお土産屋が並ぶからだろうか。しかし、ところどころに素敵な路地が存在する。

サン・マリノ共和国の街並みといえば、ルパン三世ののモデルになったそうで、そう言われれば崖の上の塔に見覚えがあるような気もするが、どうなのだろう???

サン・マリノ共和国西側の眺め

海と反対側のサン・マリノの西側の景色は、ウフィツィ美術館所蔵のピエロ・デッラ・フランチェスカのウルビーノ公夫妻の肖像画の背景に出てくるようだ。肖像画の背景はウルビーノ公が支配していた領地を描いているが、そこはまさにサン・マリノ共和国に隣接した土地であった。

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