ヴィンチ・サンミニアート・チェルタルド
私たちが提供しているツアーに「小さな村の物語」という某番組の題名を拝借したものがある。どんなツアーかというと、トスカーナの小さな村を3つ訪問するのである。
ツアーのメインとなる最初の村は、ヴィンチ村。レオナルド・ダ・ヴィンチの故郷だ。
レオナルドの故郷に、レオナルドを辿る確かなものが何かあるのか?
何もない。ただあるのは、自然ばかり。しかしこれは、レオナルドを育てた自然である。自然を探求したレオナルドの人生はここから始まったのだ。
ヴィンチ村にはレオナルド博物館がある。レオナルドが残したメモに描かれた機械を形にしたものが展示されている。解剖、力学、土木工学、水力学、空気力学、航空力学、兵器など、残されたメモの分野が実に幅広いことに、改めて驚かされる。
レオナルドが洗礼を受けた教会の鐘楼の奥に広がるトスカーナの美しい田園地帯に、フィレンツェからピサ、そして海へ向かってアルノ川が流れる。フィレンツェの宿敵ピサを困らせるためにアルノ川の流れを変えようとしたレオナルド。巨額な費用と大いなる時間を要したため案は実現しなかったが、その発想がとにかくすごい。
昼食はサンミニアートの村にて。トリュフの里と知られる小さな村に何があるわけではないけれど、落ち着いた味のある村なのだ。
サンミニアートでトリュフの1品を食べるのもよし、それ以外のトスカーナ料理もよし。
ここには数ヶ月前に開店した私のお気に入りのレストランがある。残念ながらランチは土・日しか開いていないが・・・。平日は、昔ながらのトラットリアへご案内している。
サンミニアートから眺めた景色。レオナルドの空気遠近法のように、遠くのものは淡く青くみえる。右手の丘にヴィンチ村があり、その奥に聳えるピストイアの山脈に雪が積もっている。このような景色をレオナルドも見たのだろうか。携帯写真なので上手くは撮れていないけれど、それでも神々しさが伝わればと思う。
ツアーの最後に訪れる小さな村は、チェルタルド。煉瓦で出来た村である。受胎告知を物語るタベルナコロ(壁祭壇)が美しい。
この村の旧市街は、このメインの道が一本とその周りに小さな路地が数本あるのみという本当に小さな村である。
こんな小さな村をお客様は楽しんで下さるのか?といつも不安になるのだが、毎回、無用な心配に終わり安堵する。通りの建物が曇り空にも青空にも似合う独特の色合いで、のんびり散策すると心が癒される。
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