イタリア古都ラヴェンナへ。
ラヴェンナはモザイクの町である。5世紀から6世紀に、西ローマ帝国の首都、東ゴート王国の首都、東ローマ帝国の総督府となり、栄華を極めた時代に生まれたラヴェンナのモザイク芸術は、世界最高峰と言える。
ローマやビザンティンでもラヴェンナと同等のモザイク作品は生まれたが、これらは残念ながら戦争、略奪などによって多くが破壊されてしまった。故に、私たちが目にすることのできる最高品質のモザイク芸術は、ラヴェンナにある。
テッセラと呼ばれるガラスの小片で作られたラヴェンナのモザイクは、色褪せることなく永遠に輝き続ける。神の世界を現すのに、これほど適した方法がほかにあっただろうか。
モザイクで飾られているラヴェンナの教会は、初期キリスト教と呼ばれる時期に建築された。初期キリスト教のイエス・キリストは、髭のない若々しい姿で現されていることが多く、若きキリストは、永遠であるキリストの神性を現している。
西ローマ帝国時代
ガッラ・プラチディア霊廟
良き羊飼いとしてのキリスト。初期キリスト教時代に見られるテーマである。
キリストの姿が描かれず、キリストを表すシンボルが描かれていることも多い。
ネオニアーノ洗礼堂
お、これは短い髭のあるキリスト。修復のためか、それともまだまだキリスト=ゼウスのイメージからか・・・。
東ゴート王国時代
アリウス派洗礼堂
白鳩がジャーッと若いキリストに水をかける、とっても大胆な洗礼図。ネオニアーノ洗礼堂のものよりも単純だが、面白い。
東ローマ帝国時代
サン・ヴィターレ聖堂
ビザンティン風の堂々とした皇帝のようなキリスト。
こちらもキリストを「子羊」で。神の子羊キリスト。
サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂
ここではキリストは、宝石が飾られた十字架として、そして髭のあるキリストとして描かれている。
宝石箱の中へ足を踏み入れたような輝きを放つラヴェンナのモザイクは、ローマ帝国がどれほど繁栄していたかを物語っている。
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