フィレンツェのレオナルド・ダ・ヴィンチ博物館へ。
ドゥオモとサンティッシマアヌンツィアータ広場を結ぶセルヴィ通りに、レオナルド・ダ・ヴィンチ博物館がある。
随分前から存在していたが、どうせヴィンチ村にある模型博物館と同じだろうと入場したことがなかった。今回、初体験である。
まずは、レオナルドの人生を追ったパネルから。1452年ヴィンチ村で生まれ、1519年フランスはアンボワーズで死去。来年、2019年がレオナルド没後500周年である。ウィトルウィウス的人体図を用いた年代表がかっこいい。ウィトルウィウスは紀元前1世紀頃、古代ローマで活躍した建築家であるが、彼の著書「建築論」に記述を元にレオナルドが発展させた図である。1ユーロコインの絵でもある。ウィトルウィウス、舌噛みそうな名前じゃ。
こちらは手記について。世界中に散らばっているレオナルドの手記とそのテーマをまとめた表。参考になる。しかし、まぁ、天文学、力学、絵画、解剖学、幾何学、あらゆる分野に及ぶのだから、なるほど万能の天才である。
手記のコピー。レオナルドが左利きで鏡文字で書かれたとは有名だが、見ていて読めるわけではないが、美しい。
博物館は、レオナルドが手稿に書き溜めたアイデアを模型にした展示である。この博物館で面白いなと思ったのが、実際に模型を触れ動かせることである。レオナルドは移動式橋も考案したが、小型の模型で作ってみることもできる。それがなかなかに難しい。
レオナルドはミラノ公へ履歴書もどきを送ったが、移動式橋は「私にできる10のこと」の一つであった。(赤線の部分。Ho modi de ponti leggerissimi et forti, et atti ad portare facilissimamente, 軽くて、強度があり、簡単に持ち運びできる橋を作ることができる)
模型の中でも左端に写っている戦車が一番感動!ラピュタに似たものが出てくるし、模型になっているとイメージしやすい。そういや、空も飛ぼうとしたよね。
レオ発案の万年筆も。たくさん原稿を書いたから、インクが長持ちするペンが必要だった。この万年筆はアトランティコ手稿を元に復元し、フィレンツェとローマ、中国の3箇所のみで展示されているそうだ。
入り口には売店があって、レオナルド関連本が充実している。小型の模型や、関連キーホルダーなども面白い。それとは別に、フィレンツェをモチーフにしたお土産もカワユシ。
このメモ帳がお気に入り。中まで絵があって、めっちゃ可愛い!どう?どう?お値段も可愛いし、配りお土産でいいんじゃない???
レオナルド・ダ・ヴィンチ博物館
住所:Via dei Servi 66r
開館時間:毎日10時から19時(最終入場時間18時)
入場料:7ユーロ(学生5ユーロ)
※売店は出入り自由
ところで。驚くことにフィレンツェ市内に同じ趣旨の模型博物館が2つ存在する。写真のはvia dei serviの博物館だが、もう一つはVia Cavour 21にある。
住所:Via Cavour 21
開館時間:9時30分から19時30分
入場料:7ユーロ(学生4ユーロ)
この2つは展示が異なる姉妹博物館と思うでしょ?普通はね。でも、ほぼ同じ展示の別団体のもの!Via Cavourには、専門家からの助言を受けながら職人ニコライ氏親子が作製した52個の模型が設置されている。今までにニコライ氏親子は、250個の模型を作っていらっしゃるとのこと。スバラシイ。噂によると、最初は共同博物館だったはずが揉めて別れたとか。Via Cavourの挑戦するような時間帯をみよ!Via dei Serviの博物館の模型もニコライ氏親子が作ったんじゃね?と疑ってしまう。(ヴィンチ村はIBMからの寄与である。)
どっちがいいのか?
Via Cavourは、レオナルドにちなんだ子供コーナーが充実している。戦車の模型も、Via dei Serviは半分だけどVia Cavourは本格的で感動した。
が、Via dei Serviの方がお金があるんだね。展示がプロ。で、どっち?と言われれば、小さいお子さんがいればVia Cavourで、大人はVia dei Serviかな。気持ちは、勝手にニコライ氏親子の確執を想像してVia Cavourと言いたいんだけど。
フィレンツェのクリスマスイルミネーションを楽しみながら、帰宅する。今年のトルナブォーニ通りのイルミネーションが好きすぎて、Twitterでひつこいほど呟いたら、コレをイメージしてネイルアートされた方がいらっしゃって、ホンマ感激!
12月8日を過ぎ、本格的にクリスマスシーズンが始まった。5世紀前に、この街をレオナルドも歩いたんだなと思うと不思議である。
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