秋のフィレンツェの味覚・葡萄のスキアッチャータ。
あっという間に夏が終わりを告げ、冬用の掛け布団をひっぱりだすほどの寒い日々が続いたが、昼間はぽかぽかと暖かい日がまた戻ってきた。あまりにも突然に夏が過ぎ去り哀しい思いをしていた私だけれど、街を歩けばどこからかほのかに漂う金木犀の香りが気持ちを軽くしてくれる。
そんな秋の日に、フィレンツェから車で1時間ほどのリニャーノ・スッラルノという田舎町のパン屋を訪ねた。わざわざ遠方まで行ったのは、もちろんこのパン屋さんのご主人と知り合いで、彼に用事があったからなのだが。
そこで!秋の味覚、スキアッチャータ・アッルーヴァ(葡萄のスキアッチャータ)を発見!もうそんな季節になったのかと、一年の過ぎる早さにびっくり。
フィレンツェではフォッカッチャをスキアッチャータと呼び、通常は塩味なのだが、この季節だけ生の葡萄が入ったスキアッチャータが販売される。葡萄入りの甘いスキアッチャータなのである。
せっかくだからとパン屋の主人、ルイージに仕事場を見せていただいた。
写真の真ん中がルイージ。パンを焼く釜戸はかなりの年代物。写真を撮るといったら、後ろにおいてあった大きなスキアッチャータを見えるように立ててくれた。この大きなスキアッチャータにハケでオリーブ・オイルを塗って、出来上がり。
葡萄のスキアッチャータ用の小粒のぶどうがたくさん!仕事場ではお手伝いの女の子が房から一粒、一粒取り除く作業をしていたけれど、たくさんあって大変!色の濃い葡萄は種あり。カナイヨーロ種が一番適していると言われている。種なしは少し大粒で色も明るい。写真の葡萄は一部だが、こんなにたくさんの葡萄ならいくつ出来るだろう????
オーブンから取り出したスキアッチャータ。ご覧のとおり、葡萄が溢れんばかり。その上、生地の間にも葡萄が入っていて、葡萄がふんだんに使われている。置かれていた山盛りの葡萄の箱も、これで納得。
左に葡萄のスキアッチャータ(種あり)、右にパン・ディ・ラメリーノ(ローズマリーと干し葡萄のパン)、後ろにクロスタータ(トルタ)。どれもおいしそう!
店内の様子。ショーウィンドゥの上部の中央に置かれている、色の薄めの葡萄がのっているのが、種なしバージョンの葡萄のスキアッチャータ。
ぷつぷつした種あり葡萄のスキアッチャータは落ち着いて食べれずあまり好きではなかったが、ルイージが作るものは種があってもおいしい!いや、種ありのほうが、いい感じの歯ごたえとなりいける!旦那も私も「彼の作るスキアッチャータ・アッルーヴァは、どこのお店よりおいしいのでは?」と思っている。
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