キャンティクラシコと自転車

10月、キャンティクラシコを自転車で走る。

キャンティクラシコを自転車で 久々に天気の良い日曜日だったので、ロードバイクでキャンティクラシコ地方へ。1ヶ月前は収穫を待つ葡萄が緑の葉っぱの下で行儀よく列をなしていたが、葡萄はすっかり姿を消し秋めいた木々が秋空の下で黄金色に輝いていた。 葡萄畑 コロナの感染者が増加している欧州に日本人観光客が再び訪れるのは残念ながら想像していたよりも先の話になりそうなので、そろそろ別の方法で仕事をしなければならない。そこで、既に他のところでも開催されているオンラインツアー なるものに参画しようと思っている。トスカーナの田舎町をご案内してみたいが、まずはワイナリー訪問でとお話を頂いたこともあり、現在、思考中。自転車は集中して考え事をするにも適している。 ワイナリー訪問の仕事のためにいつもワインについての情報を更新はしているつもりだが、改めてキャンティクラシコワインについて勉強し直していてキャンティクラシコの良さを再認識し、初心に返った気分である。 かつてはイタリアワインの代名詞だったキャンティクラシコワインは、ここのところ苦しんでいる。最高のMadi in Italyとしての知名度は高く、日本でも最初のイタリアワインはキャンティだったという方も多かろう。しかし料金設定はバローロやブルネッロなどのトップクラスワイン地区には手が届かず、かといって新大陸ワインの低価格には勝てない。 葡萄畑黄葉 これらに対抗するために、2013年にキャンティクラシコの最高カテゴリーとして「グラン セレツィオーネ」が生まれ、範囲が広いために時間がかかりそうだがブロゴーニュのように細かく区画を分けて土壌の特色を宣伝しようと頑張っている。 というような話をソムリエ講師や醸造家から聞いたり読んだりして辿り着いた共通項が、「キャンティクラシコ愛」。 キャンティクラシコ地方 多くのワイナリー所有者は外国人またはトスカーナ人以外だが、経済的に余裕のある人々がトスカーナのキャンティクラシコ地方でワイン造りを始めたのはこの土地の美しさに惚れ込んだから。トスカーナ人でも仕事に疲れたときは安らぎを求めて車なり自転車なりでキャンティクラシコ地方へ来る。とにかく人を癒す力がある土地だということ。 ワイン ワインに関しても、ワインの銘柄が有名な土地のレストランで、お客が皆、その土地の銘柄ワインを飲んでいるのはキャンティクラシコ地方だけだ。そしてどんなに高いワインを外で飲んでも、家に帰り家族や友達と飲むキャンティクラシコほど美味しいものはないという結論。 キャンティクラシコ葡萄畑 紀元前から葡萄栽培が行われていた土地で造られるワインは、文化・景観・歴史諸々を含めてキャンティクラシコワインとなる。 等々、キャンティクラシコへの愛の語りが熱く、聞いているうちにキャンティクラシコワインを飲みたくなった。 私がワインを学んだソムリエ講師も哺乳瓶からキャンティクラシコを飲んで育ち、私の体には血の代わりにキャンティクラシコが流れているという勢いだった。 オンラインツアーでそんな熱い気持ちを代弁して皆様にご紹介できれば!と思っている。オンラインではなかなか現地の空気感を感じて頂くのは難しいところだが、新たな挑戦である。

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