バーニョ・ヴィニョーニ観光
オルチャ渓谷の南に位置する標高約1,750mの火山アミアータ山の影響で、この周辺は温泉がいくつか存在しますが、バーニョ・ヴィニョーニもオルチャ渓谷の温泉町のひとつです。
古代ローマ時代から温泉として利用されており、シエナの聖女カテリーナやローマ教皇ピオ2世、メディチ家ロレンツォ・イル・マニーフィコなどが訪れたという記録が残っています。
通常、イタリアの町の中心には広場があるのですが、ここは広場の変わりに大きな水槽があります。16世紀に作られた、49m×29mの大きさの水槽には、1,000mの地下の源泉から湧き上がる52℃の湯が注いでいます。泉質は、カルシウム・マグネシウム炭酸水素塩泉です。この水槽はロシア人のタルコフスキーが映画「ノスタルジア」の撮影でも使われたことでも知られています。
とても小さな温泉町バーニョ・ヴィニョーニは、中世の佇まいのまま保存されています。お店の数は少ないですが、昔ながらの薬局など気になる素敵なお店もあるのです。この薬局はまるで「ハリーポッター」に出てくるような雰囲気のお店で、ホメオパシーの薬草やハーブティー、ハーブ石鹸なども売られています。
18世紀になり村に初めて温泉を利用できるホテルが建ちました。現在も村にあるホテルの温泉プールを日帰りで利用することができ、打たせ湯や泥マッサージを受けることもできます。泉質は鉄を含み、筋肉の疲れに効き目があると言います。
村の下には自然の水槽でできた温泉があります。岩に堆積した石灰のために透き通る空色の水の水温は低めですが、とても柔らかく肌がすべすべになります。良い季節になると、多くの人々がこのお湯を楽しみます。
町のはずれには温泉のお湯を有効に利用しようと源泉が沸き起こる町の中心の水槽から敷かれた水路といくつかの水槽が見られます。そこでは、足湯も楽しめます。昔日は、暖かい湯を滝のように流し落とすことで温度を下げ温泉以外の目的に使用していました。
50年代まで、この水流を利用して水車を動かしていました。
崖に咲く薬草がいい香りを運ぶ村の高台からは、オルチャ川とテンテンナーノの要塞、オルチャ渓谷のすばらしい田園風景が眺められます。
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