- 夏のボルゲリ2軒訪問
- ワイナリー「カスッテッロ・ディ・ボルゲリ」
- ワイナリー「ジョヴァンニ・キアッピーニ」
カステッロ・ディ・ボルゲリ
先日の日曜日、ボルゲリを訪れた。ボルゲリはフィレンツェから車で2時間弱のティレニア海沿いにある小さな村である。1960年ごろまでは静かな海の近くの村に過ぎなかったが、70年代からはワイン愛好家ならば言わずと知れた「スーパートスカーナ」ワインの里として名声を得た。
ボルゲリ地区で最も有名なワイン「サッシカイア」
村中、サッシカイアのボトルだらけである。ボルゲリで購入して1本140ユーロとすると・・・、いらぬ計算をしてしまう大阪の商人魂・・・。
ボルゲリ村は海沿いと言っても海岸からは15kmは離れているだろうか。数十年前までは海水浴を楽しむ客がちらほら訪れたに過ぎない村であったろうが、今では観光客で賑わっている。
観光客が皆、ワイン目当てではなかろうが、訪れる人がいる村は活気を取り戻した。全く持って、「サッシカイア」様々である。
ボルゲリはなんといっても気候が違う。
海辺だから当たり前なのだが、日の光が、風が、違うのである。オレンジのノウゼンカズラが咲き乱れる様は南国を思わせる。
1720年ごろから生き続けるオリーブの木。ボルゲリの歴史を見続け、これからも見守っていくことであろう。トスカーナは寒波に襲われオリーブの木が全滅に近い状態になったことがあるが、年輪を刻んだ立派なオリーブがこの地が温暖であることを物語っている。
「ボルゲリのワイナリーを訪れたい」というリクエストを頂戴したのは、1週間ほど前。お客様の都合のよい日は、日曜日のみ。
ボルゲリの有名どころのワイナリーは日曜日は休館か、1週間前には予約を入れなければ訪問は受け付けない。さて、それではどこへご案内を?
サン・ジョヴェーゼの地区ならば、私の大の得意とするところであるが、カヴェルネとなるとさっぱりである。「テヌータ・サングイド」や「オルネッライア」「グアド・アル・タッソ」など、大手ならばワインの味はさておき、知名度だけで訪問するには充分である。小規模となると、美味しくなければ話にならない。遠方まで行くのだから。いずれにしても、今更ワインを飲んで試す時間もなし、既存の評価を頼るしかない。そして、日曜日にも訪問できる場所。
そこで、選んだのが日本にも輸出している2軒。
「カステッロ・ディ・ボルゲリ」
ボルゲリ村のシンボルであるボルゲリ城は、この地区で一番歴史の古いワイナリー。ボルゲリ城は、中世にはリグリア州からラッツィオ州一帯を支配したデッラ・ゲラルデスカという一族が所有している。醸造施設を見学する前に、とっても優しい案内役のフェデリカさんがボルゲリとワイナリーの歴史の話をしてくれた。デッラ・ゲラルデスカ一家は50年前、跡継ぎが途絶えてしまった。生まれたのは娘ばかりだったそうで、その一人がボルゲリ城を継ぎ(名前は旦那のものとなったが)、一人がテヌータ・サングイドへ嫁ぎ、一人がグアド・アル・タッソ(だったと記憶する)へ嫁ぎ・・・と、結局、ボルゲリの大手は皆ゲラルデスカ一家じゃないですか!ということらしい。
樽の貯蔵庫の写真がぶれているが、こんな感じでお城地下の醸造施設を説明つきで見学した後は、2種類の赤ワインを試飲。
ボルゲリDOC「バルバラ/VARVA’RA」と、ボルゲリ・スペリオーレ「カステッロ・ディ・ボルゲリ/CASTELLO DI BOLGHERI」
すっきりした飲み口で、上品なスタイルの赤。まろやかで飲みやすい。カステッロ・ディ・ボルゲリは、2011年度には、イタリアの赤ワイントップ100のひとつに選ばれている。
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