ボローニャの教会

ボローニャの教会

ボローニャの2つの斜塔

フィレンツェからアペニン山脈を越えて、2本の斜塔がシンボルのボローニャへやって来た。フィレンツェより寒く感じるのは湿気が多いからだろうか。

この低い塔はガリセンダと呼ばれ、傾きすぎてヤバイ状態なので倒れる前にボローニャを訪れることをオススメします。

聖ペトローニオ聖堂

ボローニャの主要な広場は、マッジョーレ広場。マッジョーレ/大きなという意味の通り、星空の下の映画鑑賞やコンサートなど楽しいイベントも開催される市民の広場だ。広場に面して建つのは、ボローニャの守護聖人ペトローリオに捧げられた聖堂である。15世紀初期の芸術家ヤコポ・デッラ・クエルチャの彫刻が素晴らしいファサードだが、上部半分が未完成なのが残念だ。

この教会は立派だが、大聖堂ではない。大聖堂ではないけれども、歴史と芸術に溢れている。ボローニャには、このように興味深い教会が多い。

サント・ステファノ教会

サント・ステファノ聖堂は、別名、七つの教会と呼ばれ、時代の異なる7つの教会が一つにまとまっている場所だ。

言い伝えによると「エルサレムでキリストのお墓にお参りすのは遠すぎやから、ボローニャになんちゃって聖墳墓を造ったら人集まるんちゃう?」という聖ペトローリオの案で造られた聖墳墓教会もその一つである。イタリア人の商魂の逞しさはお見事!

聖ドメニコ聖堂の聖ドメニコ礼拝堂

アッシジが聖フランチェスコの総本山ならば、フランチェスコ会のライバル聖ドメニコ会の創立者聖ドメニコが永眠するのはボローニャの聖ドメニコ聖堂である。

アプスの天井画は、カラヴァッジョ亡き後バロックを引き継いだボローニャの画家の一人グイド・レーニ作。光り輝く天には、両側にキリストと聖母に囲まれた中心に聖ドメニコが座する。見上げると天界、これぞバロックの魅力。

礼拝堂に祀られた聖ドメニコの墓には、19歳のミケランジェロ・ボナローティの小作品があり、小さいながらにミケらしい体の動きが入っているのが良い。

サンタ・マリア・デッラ・ヴィータ教会クーポラ

楕円形の天井が美しいサンタ・マリア・デッラ・ヴィータ教会。長い歴史を持つ教会だが、17世紀末から18世紀にかけて再建築された。

「キリスト哀悼」ニッコラ・デッラルカ

この教会内にある15世紀の作品「キリスト哀悼」は必見だろう。ルネサンスらしく、人間の感情に迫った彫刻は心に響く。作者はボローニャで活躍したニッコラ・デッラルカ。

アルフォンソ・ロンバルディ「聖母の眠り」

2階には「聖母の眠り」がある。作者のアルフォンソ・ロンバルディもまた、16世紀のボローニャに多くの作品を残した。手前に寝っ転がってる人、マニエリスム入ってていいね。

アルフォンソ・ロンバルディ「キリスト哀悼」

ボローニャの大聖堂となるサン・ピエトロにある「キリスト哀悼」。これまたアルフォンソ・ロンバルディ作で、同テーマのニッコラの作品に比べると行動に理性が利いていて、宗教改革の風を感じる。

3作品ともに素材はテラコッタであるのが、ボローニャらしい。

ボローニャの窓

ボローニャの小窓からは、ヴェネツィア風の運河の風景を覗くことができる。ヴェネツィア風とは言い過ぎではあるものの、かつてはボローニャの動力となった運河の名残を見ることができる貴重な窓である。

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