ピエーヴェ・サンタ・レスティトゥータ
午後のワイナリーは、アンジェロ・ガヤ氏が所有するブルネッロ・ディ・モンタルチーノワイナリー「ピエーヴェ・サンタ・レスティトゥータ」へ。ガヤのワイナリー訪問は病院などに寄付をした者だけが可能というシステムを取り入れている。このような取り組みを行ったワイナリーはガヤが最初で、すでに多額の寄付を行うことに成功しているそうだ。
収穫をした葡萄が醸造施設に到着していた。この風景を見ることができるというのが、9月のワイナリー訪問の醍醐味の一つだろう。ただし、すでにアルコール発酵が始まっている場合は醸造施設は入れないという時期でもあるので運にも左右されるのも事実である。
収穫した葡萄を緑の枝の部分から実を分ける機械に入れるのだが、まずは機械に入れる前に房をチェックする方が2人いらっしゃる。予想以上の量の葡萄を取り除いているのを見て驚いた。厳密なという言葉がぴったりな作業である。
そして出てきた実をチェックする方がさらに2名。美味しさに繋がる健康な実だけをワインとするために必要な一手間なのだ。
醸造家ニコーラさんの案内で醸造施設内を見学し醸造の仕組みを伺った。現在、タンクに果汁は入っているが発酵はまだ始まっていないとのこと。果汁が入ったタンクの中を上から覗くことはなかなかない経験なので、ワクワクする。
小樽熟成がガヤの本来のスタイル。小樽がずらりと並ぶ様は圧巻で絵になるなといつも思う。
現在手に入るガヤのブルネッロは小樽のみを使用しているが、ワイナリーでは3年ほど前に大樽を導入した。ということは、2019年ヴィンテージから小樽熟成に加え大樽も使用したワインとなるそうだ。大樽派の私は、結果がとても楽しみ!
ワイナリーでは3種類のブルネッロを造っており、内2本が単一畑のクリュである。
美しい輝きを放つが、色が濃い。午前のワイナリーと比べて南に位置するからか、小樽使用だからか、深みのあるルビー色だけでなく味も骨太だ。同じヴィンテージの3種のブルネッロを前に、畑の違いから生まれる味を比較できる。
チーズやサラミ、Tボーンステーキが食べたくなった。そう、ガヤのブルネッロは待たずに飲めて、非常に飲みやすく、食事とのマリアージュも幅広そうだ。これは消費者の要望に応えた味を追求した結果だという。一方、午前中のワイナリーは亡きオーナーが飲みたい味を求めた作品であると。いずれも高品質のトップを走るワイナリーであるが、異なるテノワールがどうワインに反映しているか、さらには哲学の違いも垣間見れた訪問となった。
お客様からの質問に加え、私自身もついつい熱が入ってしまい長い訪問となってしまったが、お忙しい時期に本当に丁寧に案内下さったニコーラさんありがとうございます。
久しぶりのツアー案内は、魚がようやく水を得た気分になりこの仕事への情熱を再認識できたわけだが、お申込をして下さったお客様、そして難しい訪問許可を与えてくれた午前ワイナリーの方に感謝の気持ちでいっぱいである。
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