キャンティクラシコワイン 試飲会2013年。
2月18日-20日にフィレンツェ於いて、キアンティクラシコワインの新作試飲会が開催された。キアンティクラシコワインの生産者150軒が2011年/2012年のキアンティクラシコ(最新年代)と、2010年のリゼルヴァを主に、約500種類のボトルを試飲する会である。
新作試飲会も今年で20年を迎える。それを記念に、今年はキアンティクラシコ界に新風が吹いた。
新風のひとつは、キアンティクラシコワインの象徴である黒い雄鳥のロゴの改正。
今までは左のロゴだったのが、今後、上の黒い雄鳥がキアンティクラシコワインの顔となる。新しいデザインは、尻尾のふんわり感でよりエレガントに、、胸の毛で更に誇り高く、雄鳥が顔を掲げて鳴いている様子で更に野心的に、生まれ変わった。このロゴマークが、ボトルのキャップ下と裏面ラベルにお目見えするのも、時間の問題であろう。
私は前のロゴが封蝋のような形が好きであったが、雄鳥自体はより格好良くなったと思う。
そのほかに、今までは「アンナータ」と「リゼルヴァ」という2つのカテゴリーのみ存在していたが、2013年以降、「グラン・セレツィオーネ」というカテゴリーが加わる。「リゼルヴァ」は最低24ヶ月の熟成期間を要しボトル詰めは醸造所と違う場所でも可能たが、「グラン・セレツィオーネ」は最低30ヶ月の熟成が必要となり収穫からボトル詰めまで一箇所で行われなければならない。
キアンティクラシコは、個人的にはある程度の新鮮度が楽しいワインと思うのだけれど、新しい試みでどのようなワインが出来るか、大変楽しみである。熟成期間が長いので樽の香りが強すぎるワインになってしまうのはお断りだが・・・。
毎回、会場へ足を踏み入れるときは、緊張する。
ずらりと並ぶブースは、地区別に分けられている。
キアンティクラシコ地区は、以下のとおり、9つに分けられる。ここに、フィレンツェからシエナへ縦長に平行して、左からペサ谷、グレーべ谷、アルノ谷が存在するという地形だ。
参加ワイナリーが印刷されている冊子とにらめっこしてから、試飲を。全ワイナリーは飲めないので、試飲ワイナリーの選択には真剣勝負なのである。
San Casciano Val di Pesa
Solatione
太陽(ソーレ)が当たる畑という意味で、ソラティオーネと呼ばれるワイナリーは、6ヘクタールの小さな畑を兄妹ファビオさんとフランチェスカさんが切り盛りする小規模家族経営だ。
キアンティクラシコワインは、落ち着いた安心のある味がする。
面白いのは、メルロー100%のIGTワイン「Rossombroso」小石が多い土壌が作るメルローは、メルロー本来のまろやかだけさだけでは表現できない。メルローらしい濃い赤紫色であるが、色から想像する味の濃さはない。土壌を、自然を感じずにはいられない味である。
こちらのワイナリーさんもすでに日本に輸出しているようだが、日本との取引先を探しておられます!
www.solatione.it
info@solatione.it
Tavernelle Val di Pesa
Pggio al Sole
「太陽の高台」という名というのだから、こちらも日当たりのよい畑なのだろう。18ヘクタールの畑を所有するワイナリーは、スイス人の家族経営。ブースのお姉さんがとっても美人♪お姉さんはイタリア人でしたが。
これがこの日の第一番目の試飲だったのだが、朝の10時30分からの試飲だったので、なんと!歯磨き粉の味がしてしまった・・・。ふ、不覚・・・。
Barberino Val d’Elsa
Isole e Olena
ブルーベリーやラズベリーの赤いベリー系のフルーティさもしっかりあり、相変わらず出来がよい。
どうもまだまだ「若さ」があるのでちょっと待てば、あるイタリア人ソムリエが「旨み」と評した味わいになるのではと期待する。
Greve in Chianti
Lamole di Lamole
畑の標高が、350から650mと高い。えっちらほっちらと不安になるような山道をぐんぐん登った先にあるワイナリー。しっかりと酸が効いている。
Radda in Chianti
Catello d’Albola
キアンティクラシコ基本の味。またそんな味を目指して造っているとは、エノロゴのアレッサンドロ・ガッロ氏談。サン・ジョヴェーゼに、混合しても土着品種のカナイヨーロ。だから落ち着く味なのだ。
Caparsa
どうもオーナーのおじさん(奥に座っている方)がユニークな感じで、一度は訪れてみたいワイナリー。ここも親子でブースに並び、いい感じ。キアンティクラシコとは?を追求した(ラッダという土地柄上?)、クラッシックなワイン。
Gaiole in Chinati
Fattoria San Giusto a Rentennano
さっぱりした酸の中にも、フルーティさがあるエレガントな味わい。ちょっぴりアルコールが感じられたけれど?若すぎるのかなぁ。それでも、「さすが」と感嘆する味わい。よい土壌で育てらています。
Borgo Casa al Vento
ビオ・ワイン。飲みやすい。とにかく、くぃと喉に入った。
Aria「空気」とFOHO「火」(トスカーナ訛りでFuoco)
Badia a Coltibuono
個人的には、今回の試飲できた中で一番好きだった。いつ飲んでも美味しいとは思うのだけれど、昨年はあれ?なんで?ちょっとイマイチ?と思った分、今年はやっぱり美味しくてほっとした。
Castello di Ama
「Haiku」という名のワインが!何故に?と問うと、「私たち、全員、日本ファンなのよ」なのだそうだ。サン・ジョヴェーゼ50%、カベルネ・ソーヴィニオン25%、メルロー25%、なるほど日本向けの味になっている。
Castello di Cacchiano
大好きなカッキアーノ♪このカッキアーノがある地区は、ガイオーレ地区に中でも「モンティ」と呼ばれる地区で、私が注目している地区なのだ。
今年もカッキアーノの新作が出ましたよ!サン・ジョヴェーゼ100%のロゼ・スプマンテ。なぜかしら、ズッキーニの花の天麩羅が食べたくなった。
Podere Il Palazzino
このワイナリーも、「モンティ」地区。
私が捜し求めていたワイナリーを具現化してくれている、大のお気に入りのワイナリー。
どう見ても「いい人」としか言いようのない親子が造るワインは、人情のあるワイン。サン・ジョヴェーゼ100%で造るグロッソ・サネーゼは、サン・ジョヴェーゼワインのトップクラス。
Castelnuovo Berardenga
Fe’lsina
このワイナリーにたどり着いた時点で、試飲を始めてから2時間ほど過ぎていましたでしょうか。今回はワインを口に含めるだけだったけれど(もったいなけれど)、ここに来て舌が完全に麻痺・・・。
ほかにもワイナリー数軒を試飲したが、あ、忘れてた!というワイナリーもまだまだあり、これを1日(2日?)で全部試飲して評価を付ける記者ってすごいなぁと思う次第である。
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