キャンティクラシコ試飲会2011年へ。
待ちに待ったキャンティクラシコのアンテプリマ(最新アンナータ試飲会)が2月16日フィレンツェで開催された。
今年のアンテプリマは、ヴィーノ・ノービレもブルネッロも子供の体調と仕事で参加できないので、これだけがとても楽しみ!だった私。
152社約400種類のワインが提供された。
1月末ぐらいから、いろいろ試すぞ!とやる気満々の私だったが、有難いことに当日は仕事が入ったので、閉会ギリギリの入場となった。
しかし入場してすぐ、がが~ん!
試したかったほとんどのワイナリーがすでに会場を引き上げていた・・・。
が、気を取り直して・・・。めぼしいワイナリーさんをアタック!
ここは昨年試したかったが試飲を逃し、今年はリベンジしようと思っていた、Porta di Vertineというシエナ県ガイオーレ・イン・キャンティにあるワイナリー。畑は標高約500mの高地にあり、畑の横に牛を飼い牛糞を肥料とするなどの有機栽培をている。山の上ののんびりとしたワイナリーだ。ワイナリーを訪問したことがあるが、そこで働いているお兄さんもスナフキンのようで、のほほ~んといい感じなのだ。さて、お味は・・・。
ベリー系のフルーティな香りに、タンニンも中程度で、バランスがいい。
実はこのワイナリー、アメリカ資本なのでアメリカ向け販売に力を注ぎ、結果、当地で注目されているワイナリーのひとつなのだ。だから国際種を使っているのだろうと思っていたが・・・。サン・ジョヴェーゼ90%に、残りはカナイオーロ、コロリーノ、そして20年ほど前にマレンマ州で発見されたプニテッロと、すべてトスカーナ土着品種ばかりなのである。私がこれに気をよくしたことはいうまでもない。
試飲したワイナリーの中で、おもしろい!と思ったワインをひとつご紹介。
それは、Catello di CacchianoのIGTワイン。
カッキアーノ城は、キャンティクラシコワインのぶどう品種の配合を考え出した「キャンティクラシコの生みの親」として有名なブロリオ城リカゾリ家の分家である。
そのカッキアーノ城の方が、「これ、試してみて!」とIGTワインを勧めてくれた。
「なんだと思う?」と尋ねられ、
「この草っぽい香りは、カヴェルネが入ってる?」
「違うよ」
「うーん????」
「ほら、この濃い色みてごらんよ」
「メルロー????」
というわけで、メルロー100%のワインであった!
試飲する人に「なんだと思う?」と尋ねるけれど、誰一人言い当てたものはいないんだそうで・・・。
ワインの名は「Fontemerlano」フォンテメルラーノ
Fonte=泉、merlano=メルローの、であるから、メルローの泉とでも訳せばいいのだろうか。
メルロー100%にして従来のメルローを超えた味の秘訣は?という問いに、
「この土地さ」と・・・。
カッキアーノ城はガイオーレ・イン・キャンティのMontiという地区にある。
その少し先に私が大好きなワイナリー「Podere il Palazzino」もある。「Podere il Palazzino」では畑ごとのキャンティクラシコを造っている。造り方に規定があるキャンティクラシコで、畑ごと、が造れるほどおもしろい土地なのである。
それを思うと、「土地」という答えに納得できる。
このワインを生産するのは今年で2年目とのこと。
大変おもしろいワインである。
かなり駆け足で回ったキャンティクラシコ試飲会で、じっくり味わうというよりも「やっぱり好き!キャンティクラシコ」で終わったが、少なくとも唇を紫に染めて帰ったわけではないので、娘たちにいらぬ心配をかけずに済んだ。
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