6月のクレテ・セネージとオルチャ渓谷へ。
多くの方がイメージするオルチャ渓谷は、緑の絨毯の丘陵地であろう。しかし、一面が緑になる期間は6月が過ぎると間も無く終わる。7月8月は刈り込まれた小麦が太陽で黄金に光る。秋は耕された土が見え、秋に種を蒔いた小麦が育ち3月ごろには少し緑が戻ってきたかなと感じ、4月中旬から5月中旬までの1ヶ月ほどが緑の絨毯になるのである。青麦が風に揺れるというのは、5月中旬ごろ。5月末は、最後に残った緑を楽しむ。
一面の緑の季節が終わった、残念!と、思ったのも束の間、5月末のオルチャ渓谷は黄金色の穂が眩しい素晴らしい小麦畑が広がる。
緑と金色が混じって、本当に綺麗!写真では表せない美しさである。この微妙な色の変化も数日で終わってしまうという儚さ。これが隠し味となってさらに美しい。
牧草を刈った後が線を引いたようで面白い。緑の絨毯の時期も、緑のグラデーションがあって綺麗なのだが、今ほど賑やかな色合いになる時はない。初夏になるといつも思う。やっぱりこの時期が一番好きかも、と。緑の季節が終わって残念と思った後に思いがけない自然の贈り物に思えるからだろうか。
オルチャ渓谷を満喫した後は、オルチャ渓谷とシエナの間に広がるクレテセネージへ。今日は少し時間をずらしてフィレンツェを出発したので、午後の柔らかい光を求めてクレテには19時過ぎに到着。
クレテセネージは知名度が低いのが残念である。小さな丘陵地が重なり合い、丘を縁取る糸杉が並び、雨風にさらされた岩肌が見える、オルチャ渓谷よりも若干荒々しさがあるかもしれない。オルチャ渓谷の方がエレガントなのかな。しかし、ここもまた、負けてはいないほど美しいのである。
ゆるくカーブをなす道は糸杉が並ぶ。糸杉の濃い緑が印象的。
夕暮れの日を浴びて、大地の色が変化するのも素敵。
遠くに見えるのは、シエナ。
フィレンツェ在住の私にはちょっと悔しいが、トスカーナで一番美しい県はシエナじゃなかろうか・・・と密かに思うのである。
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