フィレンツェのバール巡り11【ブッリ&バレーネ】
フィレンツェ郊外に、旧タバコ工業の建物がある。1930年代のファシスト政権時代に造られたどっしりとした建築物である。タバコは国の独占販売だったことで立派な工場が出来たが、紆余曲折あり2001年に完全閉館した。
長い間、広大な敷地が空き家となっていたのだが、数年前からフィレンツェで有名なモード学校やいくつか店舗が入って、少し活気を取り戻していた。
先日、友人と旧タバコ工場にできたバールというか、ビストロへ行ってきた。
一部屋が長細く、配線を隠したようなデザインの天井やコンクリート打ちっ放しやなど元は工業だったことがうかがえるが、機械的なシンプルさが現代アートと組み合わさることで不思議と格好良さが増す。しかも流れてくる音楽がお洒落な美容院で流れてそうな感じで、フィレンツェにいながら都会感上昇。洗練度が進行形なところがまた良くて、学生時代に戻ったようにも感じるそんな空間だった。
きっとエコを意識した製品だと思うが、食器は紙製品。昼食は済んでいたのでお茶だけ飲むつもりが、美味しそうなお菓子がショーケースに並んでいるのをみて2つ注文した。
1つはチャンベッラ=浮き輪と呼ばれる、その名の通りの形をしたパウンドケーキ的お菓子。私はこの手のお菓子が大好きなのだ。そして、ブラウニー。
特別な期待はしていなかったのだが、とても美味しかった。レモン風味のチャンベッラの中に入った沢山の芥子の実が良いアクセントになっていたし、ブラウニーは甘すぎずちょうど良かった。期待していないときに美味しいと、嬉しい。
ね、この朽ちた感じがなんとも味がある。
このお店はブランチもやっているようで、今度みんなを誘って行ってみたい。夜もゆっくりできて楽しそう!夏の夜が待ち遠しい。
ビストロの他に、帽子屋や服屋など数軒のお店が入っている。ここは観葉植物店で、なんとマリモが売られていた!しかも、北海道からのマリモだそうだ。
そしてお弁当屋もあるんよ。日本人の方が作っていらっしゃるようだ。旧タバコ工場の近くには大きな公園カシーネがあるので、ここでお弁当を買って公園で食べるのも良いピクニックになるかも。
再開発し始めた矢先、コロナで閉店した店舗もあるようで残念だが、将来は既存の建物を改築しホテルなども建築予定のようだ。約3千坪もの広さ、上手に開発されることを期待する。
Bulli&Balene
Manifattura Tabacchi, Via delle Cascine, 33
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