グッチ・ガーデン
フィレンツェはシニョーリア広場に面する歴史的建築物は、2011年からグッチが入っているが、2018年に、グッチを代表するデザイナーであるアレッサンドロ・ミケーレ監修で、グッチ・ガーデンと呼ばれるお店・ギャラリー(美術館)・レストランに生まれ変わった。
建物内部には、商業組合の裁判所だった昔の名残を見ることができる。フィレンツェ共和国の紋章が興味深い。
2階3階のグッチギャラリーでは、2021年からArchetypes原型と題した展示が開催されている。グッチの原型?そう、2021年はグッチがフィレンツェに開業して100周年。幾つかの部屋に過去の(2016年からだったかな?)コレクション広告のテーマを再現した展示が設置されている。
服飾の煌びやかな世界に疎い私は、グッチはフィレンツェ生まれということぐらいしか情報がないので、原型や過去のコレクションと聞いて、トイレの中のグッチを見てもどういういことかよく分からないのだが、トイレを含めてどの部屋もとにかく愉快な空間だった。
この絵!もうめちゃくちゃ楽しかったよ。不思議な絵にテンション上がった。
グッチを若者の中に蘇らせたアレッサンドロ・ミケーレの世界はよく理解できないが、彼がローマ人で母親が映画関連の仕事をしていた影響で名画好きというような記事をどこかで読んだことがある。そこでハッとしたのだが、彼の世界は「甘い生活」や「81/2」の映画監督フェデリコ・フェリーニの世界に通ずるものがあるのではないか?と。リッチでセクシーな狂乱騒ぎ!そんなローマも存在した思うと、ああ!私はどちらも理解できない!と腑に落ちた。
これは2016年秋冬コレクション広告で、舞台は東京。夜の町にネオンが溢れパチンコの音がジャンジャンバラバラと聞こえてきそうなカオスさ。イタリアのミラノだかにできた日本食屋は、こんな感じだった。このカオスは、イタリア人にとって独特なのだろう。
ガラスの棚に、すごい数のスニーカー、ぬいぐるみ、かつら、蝶々、鳩時計が陳列され、天井も床も鏡張りで、狂ったように部屋の中にものが溢れている。
ギャラリーのみならずお店の中も、まるで遊園地のようで楽しい。破茶滅茶だけど、とにかく楽しい、そんなグッチの建物であった。
どうやらこの展示は今年の9月で終了するようで残念であるが、また次も期待したい。
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