バルジェッロ美術館のドナテッロ展
- バルジェッロ美術館
- ストロッツィ宮殿
現在、フィレンツェで待望のドナテッロ展が開催されている。
Donatello, Rinascimento
2022年7月31日まで
ドナテッロは聖母マリアと幼児キリストをテーマとした多くの美しい作品を残している。写真は、ヴィクトリア&アルバート美術館所蔵のドナテッロ作ダドリーの聖母子である。ドナテッロが考案したスティアッチャータと呼ばれる深さ数ミリの極浅彫りで見事に表現されている。観客に視線を合わさず、聖母子が見つめ合っているのが特徴的だ。
ドナテッロの愛情深く視線を交わす聖母子は、多くの芸術家に影響を与えた。この部屋にはドナテッロの聖母子から波紋した作品が並び、その影響力がどのように、またどれほどだったかを比較して観ることができるまたとない機会である。
かのミケランジェロも感化された一人である。ミケランジェロの初期の作品「階段の聖母」にもドナテッロの聖母子を彷彿とさせるものがある。
しかし、まるで小さなヘラクレスのような幼子イエスが後ろ姿であるのにも関わらず、存在感があり、ミケランジェロらしい力強さとオリジナリティーさが現れている。
ドナテッロと、彼と同年代の作品が並ぶドナテッロの間。
オルサンミケーレ教会に飾られているドナテッロの聖ゲオルギオス像のオリジナルがここにある。両側には、アンドレア・デル・カスターニョの「高名の人々」シリーズから、左にピッポ・スパーノ、右にダンテの神曲にも登場するファリナータ・デリ・ウベルティが守護兵のように並列している。
どれほど素晴らしい芸術家たちでも、最初は偉人を真似し、それを自分の中で消化(昇華)して、独自の作品を作っていく。どの世界もこの精神は同じなのだな。
バルジェッロ美術館
住所:Via del Proconsolo, 4
開館時間(ドナテッロ展開催中)
月、水、木、金、土、日曜:08:45-19:00
火:10:00-18:00
チケット代:12ユーロ
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