コジモ1世の結婚式の宴

メディチ・リッカルディ宮にて、コジモ1世の結婚式の宴

少し古い話題となるが、7月13日にメディチ・リッカルディ宮の中庭で開催された興味深いイベントに行ってきた。

メディチ・リッカルディ宮

1539年のこの日、メディチ・リッカルディ宮の中庭で、メディチ家のコジモ1世とエレノオーラ・ディ・トレドの結婚式が行われたのだが、今年はエレオノーラ生誕500周年ということで、結婚式の宴を再現した劇が開催されたのだ。再現劇といっても、当時の衣装を着た男女がその折に流行った踊りを披露するというものである。

コジモ1世とエレノオーラ

ドキドキしながら待っていると、さぁ、宴の主役となる新郎メディチ家のコジモ1世と新婦エレオノーラ・ディ・トレドの登場だ。

おお!エレオノーラは底上げした靴を履いている!ハイヒールを服飾の一部として流行らしたのは、当時のインフルエンサーであるカテリーナ・デ・メディチと聞く。フランスに嫁いだカテリーナはコジモ1世のいとこで、コジモ1世と同じ年に生まれた。

エレノオーラ

エレオノーラの衣装は、この絵の衣装に似ている。絵の中の彼女もエレノオーラ。ただし、我らがエレノオーラの姪っ子となる。若干、時代がずれるが、それでも同じ16世紀の衣装だ。

今回、演者が纏っている衣装は、あれ?これ絵画の中で見たことあるよね?と思うものが多く、衣装を見て色々と想像するのも楽しかった。

ルネサンスの女たち

女性の緑と赤の組合せや頭を飾っているのはギルランダだろうか?くりっとした後れ毛が可愛らしいし、羽根が付いた男性の帽子もとてもいい。男性の胸のネックレスはサント・ステファノ騎士団かしら?お財布みたいな袋をぶら下げている女性もいたり、細部も面白い。実はテキトーな仮装イベントかいな?と思ってそれほど期待していなかったが、衣装がかなり本格的で驚いた。

黒い服の女性

帽子のようなギルランダを頭部の後ろ側に被っていたり、髪の毛を網で覆っていたりと、ルネサンスの肖像画の人物が目の前にいる!と思うと、この場所の雰囲気といい、さらにテンションが上がり1人でニヤニヤしてしまった。

宴の最中

出番ではないので柱にもたれている役者さん、なのだが、まるで舞踏会で出会った叶わぬ恋の相手を眺めているようにも見えるし、スパイとして舞踏会に潜入して様子を伺っている男にも見える。目の前に塩野七生が描くような世界が広がり、楽しすぎる。

黒い帽子の男性

この男性の帽子!見たことある〜!

ジュリアーノ・ディ・メディチ

これじゃない???

メディチ家のジュリアーノの帽子やーん!

つばの大きな帽子の男性

この男性の衣装も見たことある・・・。でも、でも!なんという絵だったのか、思い出せない。絵というよりスケッチで、帽子や衣装だけでなく、男性の眉毛が綺麗な弧をなしている顔も似ている!ああ!誰だっけ???

司会者

黒に銀色の刺繍の衣装のすらりと背の高い方が語り手だった。衣装が非常に似合っていて素敵だったな。

出演者たち

出演者、集合。彼らは、正確な名前は忘れたが、国立の中世舞踏団体の方々で、なるほど舞踊も衣装も本格的なわけだ。思わぬ楽しいルネサンスの夜であった。

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