フィレンツェでピッツァPizzeria Sud
久しぶりにフィレンツェの中央市場へ。
その目的は、2階のフードコートでピッツァを食べること。
10年ほど前とはすっかり様変わりした中央市場。昔は市民の台所感が溢れていたが、今では観光客御用達となってしまった。それが否定的かというと、まぁ、そうでもない。観光客にとって食材のお土産を捜すならば、試食もでき日本語も通じるお店がわんさかあるので大変便利である。それに、魚屋や肉屋、八百屋などの昔ながらのお店もまだ少し残っているので、豚の足とか、そのままの鶏とか、内臓とか、わぁお!な驚きの食材も見れておどろ楽しい。キアンティクラシコのLamole di Lamoleが10,95ユーロ!叩き売りっぽさが出ているが、悪くないんではないかぃ?
ささっと1階を見学したあとは、昨年オープンしたばかりのフードコートのある2階へ。
私の写真が悪くいため場末感ありありでイマイチ惹かれないが、そんなことは全くない。明るくて綺麗でお洒落である。
ミラノのヴィットリオ・エマニュエル2世のガッレリアを造った建築家ミンゴーニの手により19世紀に造られた中央市場。鉄とガラスという当時では新しかった素材を利用したベル・エポック風のモダンな建築物である。
窓ガラスがカラフルに彩られているのは、今、フィレンツェで開催されている「F-Light」という光のイベントのため。
この装飾は「第三天国」と呼ばれるミケランジェロ・ピストレットの作品。自然を重んじる人間がいる「第一天国」と人間の知恵が生んだ造形物のある「第二天国」を融合する「第三天国」とは、地球上に生まれた新たなる文明へ誘う道のりで、芸術、科学、技術、文化、政治を通して形を成す物のなかに、自然に存在する命が復元されるよう、またこれを目的とした倫理的な行動や共通原理が広がることを推進するプロジェクトである。らしい。「第三天国」は「線」と「3つの円」が基本のシンボルで、3つの円の両側が「自然」と「造形物」を表し、真ん中にある円が両側の円を結むすんで「新しい人間性」を宿す子宮を表す。
む、むずかしィ・・・。ともかく。ステンドグラス風のなんでもないカラフルな窓ガラスの裏には、人類へ向けた新しい未来へのメッセージが託されている。
ちなみに、ミケランジェロ・ピストレットといえば、「ミラー絵画」なるもので有名らしいが、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しているイタリア人現代美術作家。「ぼろ布のヴィーナス」なぞ、広く知られているのではなかろうか?
さてさて、中央市場のフードコートに話を戻すと・・・。
揚げ物のお店、ランプレドット、バール(珈琲から、カクテルまで)、パン屋、お菓子屋、ビール屋、パニーノ屋、エノテカ、料理教室、イータリーなどなど、様々なお店が並ぶ。好きなものを好きなだけ注文し、座って食べれるので、色々と試したい場合にはとても都合がいい。
前置きが長ーくなってしまったが、この日の目的であるピッツァ屋へ!メニューは以下の4種類のピッツァのみ。
マルゲリータ・8ユーロ
ナポリ(アンチョビ)/9ユーロ
マリナーラ(チーズなし、トマトソースとニンニク、オレガノ)/6,5ユーロ
サルチッチャとフリアリエッリ(菜の花)/11ユーロ
旦那と私はマルゲリータ1枚を二人で分けることに。
職人さんが、作ってくれてますよ。
Pizzeria Sudという名前のピッツァ屋だが、イタリアの食の情報誌ガンベロロッソによると、フィレンツェで2番目に美味しいピッツァらしい。それを聞くと、どうしても試したいではないか。1位となったピッツァ屋はフィレンツェから車で45分ほどのところにあるが、文句なしに美味しい。だから、ここもかなり期待しながら待つこと数分。
タターンッ!焼きあがりました!
周りもぷくっと膨らんで、とても美味しいそう。で、食べてみると、おお!美味しい!ぷくっと膨らんだ周りの部分は、外はカリカリ中はふっくら。トマトも酸っぱすぎない。焼く前の生地を見るとつぶつぶがあったので、全粒粉かな?いや、全まではいかずか。ともかく素材の品質が良い。
しかも、塩辛くない。ピッツァを食べると喉が渇くことが多いが、これは飲み物なしでも食べることができた。中心部の生地も薄すぎず、食べていても具がすべらない。美味しゅうございました。
出掛ける前にチェックしたトリップアドバイザーの評価では、マルゲリータで8ユーロ?!高い!とか、愛想悪いなども含めて不評な意見も多く、本当に美味しいのかちょっと不安だった。確かに指摘されたとおり、高い、無愛想、その通り。でも、味はいい。お勧めでーす!
中央市場のフードコートなんてどうせ観光客用と馬鹿にしていたが、よく見ると、評価の高い(ミシェランを始め、食の評価は金次第なところもあるので、差し引いて受け取るのが妥当だと思うけれど)ピッツァ屋、世界選手権で受賞したチョコレート屋、そしてこれまた是非試したいのだが、世界ソムリエ大会で優勝したソムリエの試飲コーナーとか、実は実は高品質なお店が集まってるではないのだろうか?!色々と試したくなるフードコートということに今更ながら気づいたのである。
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