フィレンツェのパン屋プージ
秋晴れの9月某日、久しぶりにフィレンツェの歴史地区へ向った。まずはサン・ロレンツォ教会へ。夏のバカンスは終わったとはいえ、例年の9月はまだまだ観光シーズン真っ只中のフィレンツェだが、今年は驚くほど人がいない。
この夏、イタリア人の国内旅行者は約1%の増加だが、外国人観光客は約66%減少したそうだ。外国人観光客とはドイツ人、フランス人、オランダ人、スイス人、イギリス人と続く。昔からドイツ人やオランダ人に人気のイタリアだが、この夏は特にドイツ人が目立っていた気がする。
サン・ロレンツォ教会から対角線上にあるメディチ・リッカルディ宮へ。ここはべノッツォ・ゴッツォがメディチ家の人々を描いた「東方の三博士の礼拝」のフレスコ画で有名だが、最近、照明の修復がなされたばかりである。ここのところミケランジェロのモーセを始め照明の当て方に工夫がなされる修復が見られ、非常に興味深い。
メディチ・リッカルディ宮からカヴール通りを400mほど北上し、サン・マルコ広場へ。サン・ロレンツォ広場からサン・マルコ広場はメディチ家界隈である。写真はサン・マルコ教会と併設の元修道院で現サン・マルコ美術館。この美術館は何と言ってもベアート・アンジェリコの作品が豊富なことで知られている。
この日は、広場にあるパン屋Pugi/プージにて軽い昼食を購入。入り口で番号をとり並ぶ。
ここは昔からスキアッチャータ(フォッカッチャ)が美味しいことで知られている。切り売りピッツァは色々迷った挙句、オリーブがのっているものを一切れ注文。久しぶりのプージだったが、実のところ、ピッツァはパッと見てそれほど惹かれず「あれ?こんなんだっけ?」と思ったが、食べてみるとやはり美味しくて満足。
トスカーナで秋の味覚の一つといえば、葡萄のスキアッチャータ。葡萄がたっぷり入った甘いスキアッチャータはこの時期限定。写真では奥に見えている黒っぽいものが、それ。その昔、収穫時の残り物の落ちた種・(あれば)実さえも利用しようと考え出された貧しい食べ物だったが、今では決して安くなくとても美味しい。
サンティッシマ・アヌンツィアータ広場は、捨て子養育院とSS.アヌンツィアータ教会、聖母マリアのしもべ会の建物が広場の3方を囲む。これらの建物のそれぞれに設けられた柱廊が広場の調和を整え、広場が一つの空間として美しく造られている。しかしこの日はトスカーナ州知事選の選挙演説の舞台が視界を遮り、全体像が見えれず残念だった。捨て子養育院の布でぐるぐる巻きにされた赤ちゃんが可愛い。
次は、広場を抜けてセルヴィ通りをドゥオモ広場へと向かう。私はサンティッシマ・アヌンツィアータ広場から見るドゥオモが好き。とても絵になる。
日の光が随分穏やかになった9月であるが、暑さは変わらず。水分補給しながら、フィレンツェ散策は午後も続く。
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