イタリアのコロナワクチン
ファイザー社の対コロナ・ワクチンCOVID-19 mRNA BNT162b2・Comirnatyは25日にベルギーから出荷され、明日27日にイタリアに到着する。日本で普及されるワクチンも同じだと思うが、21日の感覚を開けて2度接種、2度目の接種から1週間後に効果が現れる。16才以上対象で、実験の段階で接種者の95%において効果が見られたそうだ。そして、9から12ヶ月間は効果があるのでは?との見解らしい。イタリア政府は2億個のワクチンを6社から購入予定なので、2回摂取するとしても充分な量であろう。そしてイタリア人をはじめ、滞在許可証の有無に関係なくイタリアにいる全ての人が無料(ワクチンの会社は選べない)で接種できる。もちろん優先順位はある。医療関係者、ソーシャルワーカー、持病のある人などが先である。
ワクチン接種第一人者は、ローマのスパランツァーニ病院の29才看護師クラウディアさんである。このコロナ騒動で医療関係者は対コロナの最前線で多くの犠牲を払って従事されて来たのに、その上、副作用など未だ未知な部分も残るワクチン接種を最初にせねばならぬには頭が下がる。ヒーローと讃えられるが、本当にその勇気はそれ以外の言葉では表せない。
コロナ禍で、慈愛に満ちた話が溢れるイタリア。
ミラノでは、製造ラインを医療用オーバーオール製造に変更したり、巨額の寄付を行ったジョルジョ・アルマーニ氏が「私はミラノとともに」というメッセージをミラノ人に送ったが、あれほど有名になりながらもミラノを捨てなかった彼の心はミラノ人に響いたことだろう。
これまたミラノで、パネットーネ寄付の話が話題になった。
協賛店でパネットーネのお代を払うと、お代が払われたパネットーネが貧しい人の手に渡るというもの。今年は1つのお代にくわえてお店側もパネットーネを1つ追加して2つの愛のパネットーネが生まれるシステムとなった。
また工業的にパネットーネを量産するミラノの会社Verganiがパネットーネを貧しい人々が集う救済食堂に無料配布したニュースもあった。やはりミラノは商業が強いんだなと感じる。
ミラノのパン屋が、ご自由にどうぞと残り物を無料で提供したという話には感動した。実は残り物ばかりだけでなく、そして取りに来た人が恥ずかしい思いをしない為に無料提供時間はお店は無人としたという粋な計らいである。残念ながら、年配のパン屋の店主はコロナで亡くなった。
恥ずかしい思いをしない為にとは15世紀のフィレンツェの慈善団体で聞いたことがあるけれど、今も生きている精神なのだなと感心する。
今年もあと僅か、ワクチンの知らせとともに少しでも今より明るい未来を願って、美味しいものでも食べて静かに年が開けるのを待つばかりである。
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