フィレンツェの陶器市
フィレンツェのサンタ・クローチェ広場で、毎年、10月第一週末に開催される陶器市。この時期はいつも有難いことに仕事が入るので訪ねたことがなかったが、今回、初めて機会を得た。
フィレンツェと陶器は関係がないようでいて、実は7世紀近くの伝統がある。それは15世紀の芸術家ルカ・デッラ・ロッビアを代表とする、いわゆるマヨルカ焼きだ。素焼きに色を塗って2度焼きするというのが人気を博し、しばらくの間、陶芸作品はデッラ・ロッビア家の専門特許となっていた。作品は食器などの日用品ではなく、マリア像などの教会の装飾だった。
というわけで、フィレンツェと陶芸は関係が深い。
アルノ川沿いで良い土が取れ原材料が豊富というのもあるだろうし、フィレンツェの近郊の村モンテルーポは今も陶芸の村である。
植物のシルエットがモダンなこちらの作品は、デッラ・ロッビア風と同じく、素焼き状態に色を塗り2度焼きしているそうだ。植物のレントゲンのようで面白い。これはお皿や花瓶が素敵だ。
こちらは紅い珊瑚。紅い取っ手の水差しがオブジェとしても良いし、ボールには緑のサラダを入れてみたく、シリーズで欲しくなる。飾ったり、食べ物をよそったりした風景が想像できる器は素敵だ。
シックでモダンな柄も良いが、優しい色合いも捨てがたい。こちらは薄青色の流れる小川に水草が揺れているようであり、どこか日本風でもあるような?大きな円柱の器には蓮子と金魚が似合いそう。あぁ、水羊羹も並べてみたい。
作家はファブリツィオ・トランクィッリさん。トランクィッリ=静かなという苗字が頷ける作風である。
マヨルカ焼きはイタリアらしい色使いが美しい作品が多いが、この手の焼き物はかなり和風感が増す。そんな中にもモチーフがイタリアならではの作品もあり、左端の柘榴かアーティーチョークかを思わす花瓶が気になる。
こういうのは何焼きというのだろう?
そういえば楽焼の作品もあった。急須も売られていたし、焼き物の世界は変わらず日本ブームなのだろうか。まぁ、緑茶や日本食はかつてにも増して人気があるから器も必要だろう。もしかして?と箸置きを探したが見つからなかった。お箸を置く小物なんて、イタリアでは文化的に流行らないか。
陶製のアクセサリーもあって楽しい。林檎のピアス、特に半分に切られているのが何とも愛くるしい!素敵なボタンや、クリスマスツリーの飾りもとても可愛かった。
こっちのピアスもたまらん可愛い!お寿司にお酒、トーストに目玉焼き、コーヒー豆にカップ!こんな愉快なアクセサリー以外にもシックなタイプもあって、すごく悩んだが、今回は色々と諦めた。次に何処かで出会えるといいな。
陶芸のお店の他に、蜂蜜、クッキーなどビオ食料品の店も数少ないが出店しており、秋晴れの午後を楽しんだ。
よろしければ、動画でも様子をご覧下さい!
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