ローフード・バール Cortese Café 900

フィレンツェのバール巡り5【コルテーゼカフェ900】

数年前からイタリアでは「ビオ」が流行りだ。今ではもう、農業や飲食分野でビオは定着したと言って良いかもしれない。それに従って、ここ数年でフィレンツェでもヴェジタリアン・ヴィーガンのレストランが急増している。

コルテーゼカフェ900

その中で、先日、新しくオープンしたバール「コルテーゼカフェ900」にお邪魔した。ここはヴィーガンでローフードを提供するお店と聞き、とても気になっていたのだ。

外の席

場所はサンタ・マリア・ノヴェッラ広場を挟んで、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の反対側にあるノヴェチェント美術館の建物内である。

ドルチェ

並んでいる商品はどれも美味しそうで、悩んだ結果、チョコレートタルトとジェルモーリオ(新芽)と名のついた2品を注文した。

私はローフード・ヴィーガンのお菓子を食べるのは今回が初めて。卵や乳製品、小麦粉、イースト、砂糖を使わず、焼くこともしないとは、果たして美味しいお菓子として成立するのだろうか?

カフェとお菓子

以前、お洒落なヴィーガンレストランで食べたデザートは美しい見た目で味も良いけれど、インパクトが弱く説明し難い味だった。そう言う訳で、実のところ、ヴィーガンでしかもローフードのお菓子には興味はあってもそれほど期待はしていなかった。しかし、その予想は見事に裏切られた。

2品とも味が主張していて、とても美味しかった!

チョコレートタルト

乳製品のコッテリ感はないのであっさりとしてはいる。だから満腹感というより満足感があり、幸せチョコレートタルトだった。

アボカド

こちらは、なんと!アボカドが入っている。アボカド特有のクリーミーさと緑っぽさがあり、そこにラズベリーの甘みと酸味が合わさって素晴らしい調和である。異なる味が上手に口の中で合わさって、面白い。

チョコレートとクッキー

チョコレートとクッキーも。

オーナーでお菓子職人のヴィト・コルテーゼは元は料理人だった。2009年に欧州で最初に開催されたローフード料理コースに通いローフードの可能性に触れお菓子職人に衣替えし、ローフード料理に必要な乾燥機と攪拌機を購入してからは更に色んなアイデアが生まれたそうだ。すでにローマにローチョコレートのお店「Grezzo」を展開していて、高い評価を得ている。

彼は自らをローフード・シェフという意味で、Crudista(クルディスタ /crude=生の、ista=人)と呼んでいる。

クルディスタとして目覚めたのは、ご自身の健康悪化からだったそうだ。やはりご自身の経験に関係してくると情熱も違ってくるだろう。なるほど、私も娘が小麦粉アレルギーの疑いが生まれた時に初めてグルテンフリーの食材に興味を持った。そしてグルテンフリーの食材をいつも美味しく作るのは難しいことも知った。ましてやお菓子は尚更だった。

試食

クッキーとチョコレートも試してみた。クッキーは焼かずに、45度以下の温度で5〜8時間、多くとも18時間、乾燥させているそうだ。

焼かないクッキーとはいかなるものか?と恐る恐る口にしたが、全て美味しくいただいた。何よりも見た目はあまり魅力的ではない(写真の)手前のクッキーに驚いた。というのも、食べている間に3つの味が順にやって来て、次々と新しい味に出会えるのだ。真ん中のカカオとヘーゼルナッツのクッキーは口当たりが良い。チョコレートも複雑な味でとても興味深い。さすが10年以上の実績である。

室内

室内は昔の映画館を思わせるスタイルで、1900年代の美術品を所蔵しているノヴェチェント(900)美術館に相応しい内装だ。お店の2階はまだ準備が整っていないが、ここも雰囲気のある空間となるだろう。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会近辺で休憩の際は、よろしければヴィト・コルテーゼの世界をお試し下さいね!

Vitoさんはローフードデザートのコースも開催しています。

Cortese Café 900
Piazza di Santa Maria Novella, 12r
月曜〜水曜・金曜 8:00/20:00
木曜:定休日
土曜・日曜 9:00/20:00

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