オンラインツアー の難しさ・挑戦

フィレンツェオンラインツアー 挑戦

このご時世、現地ガイドができる仕事の一つがオンラインツアー である。画面の奥のお客様に向かって画面を通してガイドをする。凄い時代である。

フィレンツェオンラインツアー挑戦

ビデオ通話なぞ、私が英国留学をしていた30年前には全く考えられなかったことで、特にこの短期間にIT技術は驚くほどの早さで進歩した。あの頃、携帯なんてレンガのように大きなサイズで超お金持ちの特権だった。ロンドンのケンジント地区に別荘を持つアラブの富豪の友人が持っていたのを思い出す。とはいえ30年あれば人は成長して立派な大人になるわけで、そう思うと十分な長さと言えるかもしれない。

ドゥオモ正面

そんな世代の私なので、画面に向かって話をするという慣れぬ行為に異常に緊張しながらも、なんとか数回オンラインツアー を開催した。画面に向かって笑顔を作る難しさよ!

需要はあるのか?と疑問は感じつつも、家に居ながら旅行気分を味えるというのは便利なもので、コロナ禍が収束しても細々と続いていく旅の形ではなかろうかとも思う。

開催者として色々な気づきやジレンマがあった。

まずは本業のガイドに関して。実際のツアーでも当然ながら何をどう説明するかは考えるが、画面を通しての場合、より簡潔により分かり易く、そして熱意を伝えるのに通常より少し大げさなジェスチャーが必要と私なりに考えた。少人数のお客様相手をご案内する私の場合、その都度、お客様の反応を見ながら対応を変えていた。しかし画面に向かってとなると、そうはいかない。きっと団体ツアーに慣れたガイドさんならば画面越しも戸惑わなかっただろう。

共和国広場

ガイドの方法もさることながら、画像・音声の質の問題がある。他社様とコラボのオンラインツアー はZOOMを使用するが、easyfirenze主催のときはYouTubeの限定リンクを使う。

ZOOMとYouTube限定リンクのメリットとデメリットは以下の通り。(受信環境は考慮せず)

ZOOMは、参加者の管理が容易、チャットのみならず音声で質問・コメントができ、画像と音声が遅れなく視聴者に届く。しかし、画質は悪い。最高でも720pだ。画像と音声を遅滞なく届けるために画質を落とすのだ。

ちなみにYouTube画像が通常1080pで、画像が粗いと思うときはだいたい720pである。もしかしたら、携帯画面だと音質の良さは必須だが画質の悪さはそれほど気にならないかもしれないけれど。ZOOMはセミナー形式には最適だ。

YouTube限定リンクは、参加者の人数管理はできても名前管理は難しい(参加者のモラルに頼るしかない)、チャットのみ、画像と音声が10秒ほど遅れて届く。しかし画像は1080p。そこが強みであろう。特に町の美しさを届ける旅行オンラインツアー には嬉しい利点だと思っている。

シニョーリア広場

それでも問題は起きた。

YouTube限定リンクを屋外散策ツアーで使用したところ、どうやら電波が少し弱いところではYouTubeが勝手に画像を圧縮したようで期待していた効果が得られず落ち込んだ。

しかしあるアプリを通してYouTubeを使用すると画像が綺麗なことが判明した。やった!と思ったものの、動画予約ができない。ということは、開催少し前にリンクを連絡することになる。一難去ってまた一難、しかし不便なだけで解決策はある。

音質に関しては、有線マイクを使うと綺麗に音が届く。無線マイクは室内WIFIや録音動画でならば素晴らしい成果が得られるが、屋外のライブは画像と音声を同時に送るので5Gのように強力な電波がないと難しい。5Gがあっても携帯が対応していなければ意味がないが。

ウフィツィ広場

30年前に比べ技術は著しい進歩を遂げてはいるが、技術的にも利便性でも完璧なオンラインツアーを提供するのはまだ先の話のようである。その分、ガイド面とカメラ捌きを面白いものにせねばならぬということか。無料YouTubeとの違いも考えねばならない。

easyfirenzeの強みはガイドとカメラが別人(私と旦那)なのでお互いがそれぞれの仕事に集中できるのだが、有線なので完全に自由な行動というわけにはいかないし、肝心なところで話の内容と写る画面がシンクロしなければならない。できる限り良いツアーを提供したいと思っているが、何が最良策か?模索は続く。

ウフィツィ美術館

以前、大手のオンラインツアーに対して画像が揺れるのが見にくく技術面でしっかりしろ!と叱責コメントを見た。いや、オンラインツアー 提供している私達は旅行業者やねん、技術やカメラのプロちゃいますねんと言いたいが、一意見として参考にしたい。大手のオンラインツアーではほとんどの方が満足されているようだけど、無料でも文句言う人はいるから難しいね・・・。。

ヴェッキオ橋

人生にゴールなんてないというのは本当だなと思う。ゴールに思えたのは休憩所で、またしても前に進まねばならないのだ。乗り越えたと思ったらまた始まり、を繰り返す。レースを再開するときはゼロからではないというのがせめてもの救いだ。ゴールは死、かも知れない。こうなったら、休憩を入れながらも最後まで挑戦し走り続けるしかない。私にとってフィレンツェオンラインツアー 挑戦は始まったばかりである。

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