3月8日は「女性の日」。女性は美術館が無料であったり、ミモザをプレゼントされたり、女性のみで食事会と、いろいろなイベントが催された。ミケランジェロ広場の下にある「薔薇園」でもある式典が行われた。式典では、女性をたたえる「統一150周年イタリア女性の薔薇」がフィレンツェに植栽された。
「統一150周年イタリア女性の薔薇」とは?
昨年のイタリア統一150周年では、三色旗をモチーフにした「品物」が面白いほど街にあふれ、道行く人を楽しませてくれた。その中のひとつに、トリコローレの薔薇も登場した。薔薇の育種家アントニオ・マルケーゼ氏が交配した「統一150周年イタリア女性の薔薇」である。
緑は、女性がイタリアを統一していくという希望、
ピンクは、女性をあらわす色、
黄色は、3月8日の女性の日を代表するミモザの色
そして、3週間きちんとした世話をしなくとも生き続ける薔薇は母親の強さを表し、茎を触ると落ちる棘は、男にとって克服できないような問題も女性ならば解決できることを表すそうだ。
すでに昨年に発表されたものなので、ご存知の方もいらっしゃるかも?
残念ながら私はまだ見たことがないので、薔薇の写真はほかから拝借したものを。
こんなに素敵な薔薇なのです!この薔薇をご覧になりたい方は、ミケランジェロ広場下の「薔薇園」へ。
住所:Viale Giuseppe Poggi, 2
開館時刻:9時から夕刻まで
さて、薔薇にはたくさんの種類と名前がある。ちなみに私は「ピエール・ド・ロンサール」が大好きである。薔薇自体も素敵だが、名前も素敵である。しかも、フランスの詩人から名づけられたとなると、さらに耽美!
「イタリアの女性の薔薇」を知るまでは、薔薇の名前とは雰囲気だけでつけているのではないか?と思っていた。しかし、アントニオ・マルケーゼ氏が交配したほかの薔薇を見ると、ただの雰囲気だけではないのがわかり、大変関心したのでここにいくつかを紹介♪(写真はすべて借り物)
神秘の薔薇。
2005年にバチカン庭園に捧げられた(公式に)聖母マリア様の薔薇なのだそうで、咲き始めから少しずつ色が変化するという。キリスト教の「救済」をモチーフに、つぼみの頃の白は聖母マリア様がイエス様を身ごもった「無原罪の御宿り」とイエス様の幼児期、線状に入る赤色は「キリストの受難」、黄色がかったアイボリー色は「復活」の光を表し、一年中、花をつけているのは、信じるものにはいつも聖母マリア様がそばにいるということ表現している。
モナコ・レニエ3世の薔薇。
9年間かけて作られた薔薇。男性をイメージした薔薇なので、とっても難しかったとのこと。香りはまったくなく、茎を触ると男性特有の麝香の香りがするのだそう。モンテカルロのグレース・ケリー公園に植えらている。
ロマノフの薔薇。
ロマノフ家の紋章の色をモチーフに、10年かけて作り上げた薔薇。何がすごいって、普段はオレンジ色っぽいのに、外に出すと真っ赤になるそうで。それは、ロシア革命で追われ血を流したロマノフ家を表す。
このアントニオ・マルケーゼ氏は、花の町サンレモ(サンレモ音楽祭開催地でもある)で植木屋を営む両親のもとに生まれた。アントニオは9歳のときに育種家になることを決心し、両親が専門に育てていたカーネーションをやめ、薔薇を育てることに。
もうすぐ薔薇の季節。これからは薔薇を愛でるときも、絵画を見るように薔薇の名前とそこに隠された育種家の思いを探ってみるのも面白い。
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イタリア女性の薔薇
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Tomoko
easyfirenze.com
ワインとチーズソムリエの資格を有するイタリア政府公認ツアーガイド・添乗員。
ワインと花と本が好き。自転車でトスカーナを巡る2児の母。
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