コロナとイタリア経済について思う。
2020年イタリアで、39万件の事業が倒産した。
Confcommercio(イタリア商業-自営業-専門職の総同盟)によると、コロナ下で昨年に比べ消費が10,8%減少( 1千2百億ユーロに相当)、食料関連以外の事業倒産が合計39万軒に及ぶ。一方で8万5千件の新事業も生まれたが、全体的に-11,3%の成長である。
事業倒産の原因の約8割、24万件は確実にコロナの影響を受けての結果だそうだ。
コロナ禍で最も打撃を被った事業の順位は、1位に旅行会社、2位にバール・レストラン、3位バス・タクシー・NCCなどの一般旅客運送事業と、全て観光関連業である。次いで、服飾関係、ガソリンスタンドと続く。
かくいう我が家も夫婦揃ってズバリ観光業で、3月9日以降、仕事はゼロである。うちの場合は賃貸料などの出費が無いのでまだ助かるが、物理的に店舗を持っている場合は出費だけがかさむので本当に大変であろう。しかし仕事はゼロなのに税金は払うわけだからトホホである。国と州が助成金を支給してくれたが、食べ盛りの子供2人いる我が家ではそれも雀の涙だ。それでも、世界中で同現象だと思うと文句は言えまい。
経済よりも命を優先したイタリア政府は正しかったと思うが、政府のやり方に不満がないわけではない。もっと迅速に、ドイツのような手厚い補償ができるだろうに、それができないイタリアは貧民には厳しい国である。国が当てにならないからこそ、慈愛に満ちた助け合いが生まれるのかもしれない。たくましさと明るさが無ければやっていけない、中世から変わることなき精神を持つ国だと思う。
それでも来年の仕事の予約が入ったので気持ちが救われたが、果たして本当にご案内できるような状況になるのであろうか・・・。神のみぞ知る。
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