ミラノ観光
サロン・ド・ショコラでミラノまで来たのだから、少し観光して帰ることにした。
ミラノといえば、ドゥオモは外せない観光地である。中に入ったことがないので、今回はと思いきや、並んでるがな。それほどの列ではなかったけれど、面倒なので外から見ただけだが、レースのようで素晴らしい~。ミラノに来た!って実感!この正面に、スターバックスが植えた椰子の木やバナナの木があるなんて、笑えるわ!
で、次に訪れたのが、Chiesa di Santa Maria presso San Satiro/聖サティロにある聖母マリア教会。
ミラノの守護聖人である聖アンブロジウスの弟である聖サティロに捧げられた小さな教会を、1478年、ミラノ公ヴィスコンティ家の出資により、ローマのサン・ピエトロ寺院を設計したドナート・ブラマンテが修築した。そして教会は聖母マリア様に捧げられたが、そこにはこんな伝説が残っている。13世紀に、ある悪漢が教会の外壁に描かれていた聖母子図の幼子の首に刃物を刺すという不祥事が起こった。刃物を刺したところから血が流れたという奇跡から、この教会の聖母マリア様信仰が始まったのだそう。こういう奇跡、イタリア中で起こってるねん。
ドゥオモからは徒歩3分ほどと近いのだけど、ちょっと奥に引っ込んでいてわかりにくいかも。
中に入ると、筒型天井が美しい長ーい内陣は、この教会の見どころでもある。すでに広く知られている教会だとは思うが、ご自身の目で確かめられたし。
薄暗い側廊が、いい雰囲気。
金色の豪華な絹織物を思わす天井と、ルネッサンス様式でありながらフィレンツェとは違うので、とても新鮮に見える。ちなみに、この教会がミラノで最初のルネッサンス様式の建築物で、ブラマンテのミラノでの最初の仕事となる。
ブラマンテはミケに嫉妬して意地悪したんで私の中でイメージ悪いけど、さすがやね。
洗礼堂は、フィレンツェのパッツィ礼拝堂や旧聖具室のブルネレスキを彷彿させる。
Chiesa di Santa Maria presso San Satiro
Via Torino 17, Via Speronari 3
火曜日から土曜日9時30分ー17時30分
日曜日 14時ー17時30分
時間があったので、もう1つ、Chiesa di San Maurizio al Monastero Maggiore/大修道院の聖マウリッツィオ教会も訪れた。ドゥオモから、レトロなトラムで2駅。教会内を飾るフレスコ画が見事で、ミラノのシスティーナ礼拝堂なんて噂を聞いたので、ぜひ訪れなければと思ったのである。
キリスト教初期時代からあった教会らしく、起源は古い。9世紀頃にはベネディクト派の尼僧院付属教会となった。1503年に修築が始まり、現在の姿となる。
教会はバジリカ式の長方形の形をしている。それが手前と奥の2部屋に分かれるのだが、手前の教会は一般信徒が入れる場所で、奥が修道女のみが入れる場所だった。両方の部屋とも、ご覧の通り、フレスコ画が壁いっぱいに描かれている。
フレスコ画は、レオナルド・ダ・ヴィンチの弟子ベルナルド・ルイーニやボルトラッフィオ、カラヴァッジョの師匠シモーネ・ペテルツァーノなど主に16世紀にロンバルディアで活躍した画家たちによる。
ベルナルド・ルイーニの『最後の晩餐』。師匠レオナルドの『最後の晩餐』に比べて、どうだろう、ざわつく使徒たち似ている?
ひざまずいている女性が来ている白い衣装の袖の部分にもリボンがいっぱい付いているけれど、これはレオナルド・ダ・ヴィンチが考案した袖なのだそう。(複数の布を合わせてリボンで結ぶってところが、らしい)とっても乙女チックやわ~。
尼僧院だったからか、聖女の絵が多い。ペンチを手にしているのは聖女アポローニアだろうか。キリスト教が4世紀に国教として認められる前にキリスト教徒であったものは、キリスト教を否定するか拷問を受けて死ぬかの選択を迫られたが、キリスト教徒として死を選ぶと殉教者として聖女、聖人と崇められた。故に、絵画に描かれるその時代の聖人・聖女は片手に殉教者の印である棕櫚の枝を持ち、片手に拷問にあった道具を持っている。聖女アポローニアはペンチで歯を抜かれるという拷問にあったと伝えられているので、手にペンチを持っている。ギャ!
修道女のみが入れた奥の部屋も、これまた豪華である。それもそのはず。この修道院は16世紀には、ミラノで一番大きな尼僧院であったそうだ。しばしば良家の娘は、結婚するまで、または一生、外出禁止の尼僧院に預けられた。そして、娘を預けると同時に礼拝堂のフレスコ画の資金を寄付したそうだ。
どうりで、当時のミラノ、ロンバルディア派を代表する画家たちが集められたわけだ。右手のマグラダのマリアが、柔らかくてとても素敵である。
おぉ!これはノアの方舟ではないかぃ。雲に乗った神様登場とか、番いの動物とか、ほのぼのしてて面白い♪あれ?ユニコーンまでいるよ?
奥の部屋の祈祷席は100席。それだけ多くの修道女がいて、それだけ多くの寄付金が集まったわけだ。ふぅ~。1554年のオルガンも見事である。
Chiesa di San Maurizio al Monastero Maggiore
Corso Magenta 15, Milano
火曜日から日曜日9時から19時30分
木曜日9時から22時30分
いずれも本当に予想以上に素晴らしい教会なので(無料だし)、是非とも訪れていただきたい。
ちなみに、私たちはミラノ1日周遊券を利用した。メトロとトラムは1回で1,5ユーロだが、1日券だと4,5ユーロとお得である。
ミラノってお店もお洒落で、建物も魅力的で、誰や?ミラノはドゥオモと最後の晩餐だけ』って言ったのは?!(私?)またミラノを訪れたいと思うのである。