11月のモンテリッジョーニ訪問。
町として発達し城壁ができたのではなく、フィレンツェ軍からの侵攻を防ぐための城塞としてシエナ共和国により建てられたモンテリッジョーニ。不屈の城として知られていたが、1554年にフィレンツェ軍の手に落ちてしまう。戦いに負けたのではなく、裏切り者のせいで。
血なまぐさい戦いの舞台であった城塞も、今では平和に時が過ぎる。
モンテリッジョーは大変小さな村である。楕円の形をした城塞の直径は約172m。門に入り、172歩あるけば、村の反対側にある門へ着くというわけだ。
それでも観光地であるから、夏は町中に活気が溢れる。数少ないお土産屋もレストランも観光客の目を惹きつけようと、趣向を凝らし店頭を飾る。
7月には、中世の時代祭りが行われる。夏の夕方から始まるこのお祭りは、中世の衣装を着た人々が露店を開いたり踊りを披露する。使用する通貨も、入り口で中世のものと交換してもらうという、なかなか趣きのある催しだ。お祭りは夕方から始まるので、村の中にあるホテルに一泊し、中世の夏の夜を楽しむのもいいかもしれない。
そんな喧騒も人事のように静かな11月。人が来ようと来るまいとそんなことには知らぬ顔で、13世紀の昔から威厳を持ってそこに在る城塞は、想像を超えた時を刻んでいる。
これがテーマパークの建物のように数年前に造られた、というものではないのが不思議なぐらいだ。積み上げられた石を見ていると、ふと、平家物語の序文が頭に浮かんできた。
休憩しながら、昔に思いを馳せてみる。
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