フィレンツェを東へ

マウンテンバイクでフィレンツェを東へ

天気の良いこの日は、フィレンツェの街を出て自転車で東へ向かった。フィレンツェの隣町バーニョ・ア・リポリの小高い丘にある小さな教会は、我が家の子供達が洗礼を受けた思い出の教会である。通常は自分が住んでいる教区で洗礼を受けるのだが、旦那の思い出の場所の一つということでこの教会にお願いした。余命短き義母に立ち会ってもらいたかったのと、我が家はちっともキリスト教徒ではないがお宮参りのにも連れていけない子供達に何らかのお守りをという気持ちがあったからである。

あと私が絶対にこの教会を気に入ったのは、ここから望むこの景色!

全くもってミーハーで申し訳ないのだが、夢のような景色を眺めることができる教会なのだ。

年が開けると、葡萄とオリーブの剪定時期がやってくる。

トスカーナのほとんどの場所でオリーブは見られるのだが、ここは世界的に有名なオリーブオイル生産者がいらっしゃり、秋にはオリーブオイル市が開催されるほどのオリーブの産地の一つである。

オリーブ林の中、フィレンツェを背景に坂道を上る。上りきったところで振り返り、景色を堪能する。

自転車で走っていると、教会が多いことに気づく。教会として今も機能しているのかわからないが、小さな村で静かに建つ教会や人里離れたところにポツンとある礼拝堂はとても絵になる。

マウンテンバイクならではの山道を走る。低いところから差す木漏れ日が枯葉に囲まれた冬の世界を照らす様は、冬の寒さを忘れさせてくれる美しさだ。カサカサと乾いた音を鳴らして進んで行くが、地面が凍っているので気をつけねばらならない。

ここに座ってゆっくりと景色を眺めていたい。随分と日が長くなったものの、やはり暗くなる前に森を通り抜けたいのでゆっくりとはしていられない。

世界はオレンジ色の靄に包まれ、重なる丘のあちらこちらで焚き火の煙が上がる。立ち去りがたい風景だ。

オリーブに糸杉、トスカーナを詰め込んだような道を走って、フィレンツェへ。

この日の動画も、よろしければご覧下さい。

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