オルチャ渓谷ベストシーズン。
麦畑を風が渡る。あたり一面に広がる麦穂が揺れる様は、緑の海原のよう。
畑の中に飛び込み、大の字になって空を見上げたらどんなに気持ちよかろう。
いつの間にか、雲の形が「夏」を感じさせる。夏はすぐそこまで。
実は私、今まで麦畑を見たことがなかった。5月は麦の季節と知っていたのは、母が活ける生け花から。イタリアで麦畑と赤色の造花ポピーの組合わせを見るが(実はうちにもあるのだ)、なぜにいつもポピーと?と思っていた。
大阪生まれの私は、スーパーの野菜と同じで、季節を感じることが少なかった。
この場所に来て、麦畑を目にし、ポピーが咲くのに気づき、ひばりが鳴くのを聞いた。もしかしたらすでに見た景色なのかもしれない。しかし、再びそれらを認識することができ、新鮮な感動であった。
4月の終わりには、まだまだ新芽だったぶどうの木。新芽を見ると生命を感じらる。今まで眠っていたものが動きだしたようで、元気がでる。
5月末には、ぶどうは小さな青い実をつける。これが5年後には、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ ワインとなるのだ。
重たいぐらいに白い花をいっぱい咲かせるニワトコの大木。花のトンネルの下をくぐると、甘い香りが・・・。
藤が美しいバルコニー。バルコニーといえばロミオがジュリエットへ愛の言葉を交わすシーンを思い出すが、このバルコニーも街灯がともるころ恋人たちの舞台になったかもしれない。
サボテンの花が咲いている。出入りするのが楽しくなる玄関。
町の広場にもペチュニアが咲いている。石造りの殺風景な中に花を置くだけで、ぐっと温かみが増える。
ネットのおかげで、その日のうちに世界中と繋がることができる現代。20年前にイギリスに留学したときは、まだまだ航空便でやりとりする手紙が活躍していた。旅情があると手紙を船便で出したときは、大変不評を買ったのを思い出す。すっかり手書きの手紙を出すことがなくなったが、こんな郵便ポストを見ると、手紙を投函してみたくなる。そうだ、次回ここを訪れたときは誰かに手紙を出してみよう。
おなじみのオルチャ渓谷の風景。緑の上を転がってみたい。
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