ワイナリー「パーチナ」

1月ワイナリー「パーチナ」訪問

パーチナの畑

お客様のリクエストで、シエナ近郊の村カステルヌォーヴォ・ベラルデンガにあるワイナリー「パーチナ」を訪問した。

ワイナリーのある地区は、ワインの銘柄でいえばキャンティクラシコの境界線に隣接したキャンティ・コッリ・セネージ(シエナの丘)となる。(が、銘柄ワインは造っていない。)畑の奥には丘を越えてシエナを眺る素晴らしい見晴らしの高台だ。ということは、風通しの良さと日照時間の長さが伺える。

パーチナの畑と糸杉

畑作りにこだわりがあるビオのワイナリーなので、まずは畑の説明から。畑へ行く道の糸杉が良い。パーチナは、古代ローマ以前の先住民エトルリア人が定住していた土地であり、エトルリアのワインの神Pachnaから名付けれた場所だという。(Pachnaはローマ神話のバッカスだ)

この風景はいつ見てもエトルリアの時代からこんな景色だったのではないかと思えてしまうから不思議である。

パーチナの葡萄の木

50年を越す樹齢の葡萄が、力強く自由に伸びている様は気持ちがいい。自然との共存が行われている所有地なのだ。気候変動で乱れた季節に対応し続けなければならず、時間を要する絶え間ない挑戦となる。

パーチナの樽貯蔵庫

自然を尊重した畑の上に、発酵はコンクリート製タンクで追加酵母なし温度調節なし時間制限なしの、いわゆるナチュラルワインというやつである。自然に任せてはいるが、しっかりと管理はしている。ここにも自然との調和が必要となるのである。

パーチナの地下醸造所

オーナーの住居と醸造施設の建物は、かつては10世紀に建てられた修道院だった。歴史の名残りを留めた地下貯蔵庫が迫力があって面白い。温度と湿気は調節せずとも問題ない環境下だ。

パーチナ醸造所の壁

壁は、人が掘ったあとが伺える。何度訪れても、感嘆する。

パーチナのマリアさん

この日はオーナーご夫妻の娘マリアさんが案内して下さった。

試飲にドネスコ2020、ヴィッラ・パーチナ2020、パーチナ2016をいただく。7年前に初めて訪問した際は酸が効いているイメージが強かったが、最近のものは葡萄の樹齢か畑の調和か気候の変動か?とてもまろやかに感じる。ワイナリーの歴史と哲学とともにいただくワインは本当に素晴らしい。

パーチナの醸造所の入り口

ナチュラルワインの良さとは何か?

それは、ワイナリーの特徴の上にヴィンテージごとの違いが現れ、グラスの中で香りと味が変化して行くことだと思う。

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