世界遺産パドヴァ
パドヴァで必須の訪問先は、なんと言ってもスクロヴェーニ礼拝堂だ。礼拝堂の四方の壁に描かれたジョットの大作で、青い天井が印象深い。
美術史上、重要な役割を果たしたジョットのフレスコ画は圧巻である。どのシーンも人間らしさが溢れ、動物さえも感情が溢れている。西ローマ帝国滅亡以降、主流であった立体感と感情のない神の精神世界を表したビザンツ美術から時代が動き出すのを感じることができる。
絵画の巨匠ジョットとともに、彫刻の巨匠ジョヴァンニ・ピサーノが、ジョットに負けず劣らず、母子の対話を見つめ合う視線で表現した聖母子像も素晴らしい。
パドヴァは既に1997年に世界遺産に指定されているが、その時は植物園のみだった。それが2021年に、スクロヴェーニ礼拝堂のジョットのフレスコ画と14世紀のフレスコ画群がUrbs Picta「描かれた町」として、ようやく世界遺産となったのである。
というのもパドヴァはフレスコ画の街で、スクロヴェーニ礼拝堂のジョットに感化されて、パドヴァには競うように14世紀のフレスコ画で飾られた建物が幾つかあるのだ。
礼拝堂として描かれた教会関連施設だけでなく、市の建物もフレスコ画で覆われている。ラジオーネ宮のフラスコ画も見事で意味深である。
そして、最後に現代のフラスコ画を。パドヴァの街に散らばっているモダンアートのフレスコ画の中でも最も有名な一枚である。
パドヴァは14世紀のフレスコ画に加え16世紀のフレスコ画、聖アントニオ大聖堂や世界遺産の植物園に大学など、本当に見所が多い。
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