10月のピティリアーノ
ピティリアーノを横から見ると、村が建つ土台の岩と家が一体化した、とても独特な姿をしている。
長細く伸びた村は、目貫通りが1本、それに平行してもう2本、うちその1本は半分ほどの長さである。というような小さな村だ。
そんな小さな村だから、空間的に迷うことはない。しかし、時間的には迷ってしまいそうな場所だ。
それは2つの理由から。
一つに、この村はまるで世界から取り残されたような、時間が逆戻りしたような雰囲気があるから。もう一つに、そんな村だから散策が楽しい、写真が楽しい、それで時が過ぎるのを忘れてしまう。この空間だけ時間がゆっくり流れる気がして、でも実際はあっといい間に時間がすぎているという不思議な場所だ。
通りを繋ぐ路地が、これまたどこも素敵なのだ。階段の上から路地を覗くと、意外と2つの通りに高低差があるのだな。村の中心を通る目貫通りが一番高くなっているようだ。
これが村の中心の教会の内部だ。この教会もソヴァーナと同じく、聖ペトロと聖パオロという名がつく。元は古い教会だが内部はバロック時代に改築されているので、村の雰囲気とは相容れないものの、素敵である。
味のある階段の周辺には猫がたくさん寛いでいた。この写真にも1匹、小さく写っている。探してみてください!なんて。
この先を行くと、エトルリア時代のネクロポリス(墓地)に到着する。約2000年以上前のエトルリア時代へ続く道だ。
この子猫は、昼食を召し上がるお客様のテーブルの下に陣取っていた。写真ではわからないが、それはそれは美しい青い目で、つい何かを与えたくなるがぐっと我慢だ。
別の角度からのピティリアーノも素晴らしい。船の形をしていると言われるのが、ここからだとよく分かる。ピティリアーノの船は、未来に向かうのか過去に向かうのか?
実は、ここの市長は34歳という若者なのだ。昔ながらの村をそのままに保ちながらも、若い職人の工房が増えて活気が戻った気がする。こんな村で1泊しても面白いだろう。
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