トスカーナの悪魔の橋を渡る。
「悪魔の橋」はトスカーナで3番目に長いセルキオ川にかかる橋である。ローマへ続く巡礼の道フランチジェナ街道上にあり、宿場町の一つルッカへ行きやすくするために11世紀に造られた。非対称な形をしているがために通称「悪魔の橋」という名で親しまれている。
正式名は、橋のたもとにマグダラのマリア(マッダレーナ)に捧げられた礼拝堂があったことから、マッダレーナ橋。
橋を渡ってみる。石造りがいい雰囲気。太鼓橋を渡ってるみたい。
20世紀初頭に鉄道が通った。橋の下を鉄道が通過できるようにアーチが開けられた。
トスカーナの悪魔の橋の下を流れるセルキオ川は、トスカーナの北部に位置するガルファニャーナ地方からルッカへ、そしてピサの北を通ってティレニア海へ流れる。
小さい魚がいっぱい。とても透き通っていて綺麗。
橋の上からの眺めは、とても牧歌的。この辺りはガルファニャーナ地方と呼ばれ、緩やかな山に囲まれている。静かな自然が与えてくれる、栗やファッロ小麦などの特産物も魅力的である。日本の三大清流の四万十川みたい。
左右非対称な形をした橋はどのように造られたのであろう? 現在の技術ならば問題ないだろうが、11世紀に造られたとは驚きである。15世紀に遠近法が再発見される以前の建築物は、きちんとした設計図がなくて行き当たりばったりなことが多かったと聞くが、これも建設途中いったら「あれ?半分まで作ったけど、なんや距離足りへんで?短くしなあかんわ」と、半分は急なカーブで作っていこや!いうことなのだろうか・・・。
期限までに竣工しなかったので悪魔の手を借りて作ったという伝説があるが、非対称だから工事が難航したのかしらん?通行量が全く比べ物にならないが、約50年前に建設されたジェノヴァの橋が落ち、不安定な造りに見えるこの橋は1000年近く存在しているのを思うと、昔人の偉業に驚かされる。
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