トッリ回廊、サンガルガーノ修道院とキウズディーノを訪問。
トスカーナで最も美しい回廊。
シエナ県のトッリ村にある回廊は、他ではあまり例のない3段式で、シエナの影響を受けた白黒の石が美しさを強調する。回廊の中心には瞑想の泉が湧き、命の水が世界に向かって流れていく。心の平静を探すため、回廊をゆっくりと1周した。
柱頭の彫刻はわかりやすい聖書物語もあれば、不思議な動物が絡み合っていたりすぐには形も意味も解せないものもある。どれも皆、面白くて可愛らしい。
次の訪問先は、モンテシエペ礼拝堂とサンガルガーノ修道院。聖ガルガーノが岩に刺した剣で有名なところである。
14世紀に増築された付属礼拝堂にシエナ派の画家アンブロージョ・ロレンツェッティのフレスコ画が残っている。保存状態は悪いが、修復されたばかりである。アンブロージョの絵は、生き生きした表現力で織り込まれた寓話が楽しく興味深い。大好きな画家の一人である。
サンガルガーノ修道院跡。青空が素晴らしい。
この年末はかつてないほど混んでいた。到着時間が少し早かったので、混み合う一歩手前で比較的静かな廃墟を満喫できてよかった。入場料を払ってくれる観光客が来るのは遺跡維持のためにも必要だが、人がいない方が雰囲気が出るのだから廃墟系の遺跡の難儀なところである。
修道院の後は、聖ガルガーノが生まれた村を訪れる。歴史を感じる村が好きな人には、ここはたまらなく魅力的だと思う。
聖ガルガーノのシンボル「岩に刺さった剣」マーク発見!
高台にあるので坂が多く迷路のようだが、喜んで迷いたいと思うほどにどの通りも味がある。
個人宅の玄関先に立派なプレゼーピオが飾られたいた。イエスが誕生し、東方の三博士がやってこようとしている。思わず「盗まれないのかしらん」と思ってしまうが、そこが田舎の良いところであろう。
村にある素朴なレストランで昼食をとり、通りをのんびりと散策して夕暮れ時に帰途についた。なんだか心が洗われた、1年の終わりであった。
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