シエナのドゥオモ付属美術館展望台へ。
シエナは、ライバル国フィレンツェに負けてはならぬとドゥオモの拡張工事を試みた。が、経済難等で工事断念。14世紀の話である。
これが拡張後に新ファザードになるはずだった箇所である。壊さずに出来上がった部分はほかの建物として利用しながら今に至るまで残っているのが、凄いことだ。建物内には職人の工房もあったそうで、その工房にてヤコポ・デッラ・クエルチャがカンポ広場にあるガイアの泉の彫刻を造り上げた。
現在では、教会付属博物館と展望台として、シエナ名所のひとつである。
博物館では、ドゥオモの祭壇側にある聖母マリア様の被昇天を描いた丸窓のオリジナルが保管されている。直径約6mの丸窓を間近でみるのは迫力である。(写真は、教会内のコピー)
シエナ派の画家ドゥッチョ・ディ・ブォニンセーニャの「荘厳の聖母」も素晴らしい。荘厳の聖母とは、聖母子の周りに聖人や使途たちがずらりと勢揃いしている図である。この絵で前面に並ぶのは、聖アンサーノ、聖サヴィーノ、聖クレシェンツオ、聖ヴィットーレはシエナを代表する聖人である。
「荘厳の聖母」は、1308年から32ヶ月間かけて描かれた、ドゥオモの主祭壇のための祭壇画であった。高さ約2m、幅約4mのこの絵が主祭壇に設得られた際は、祝いのお祭りが三日間続いた。1506年に主祭壇からはずされたのは、残念なことである。
さらに階段を登り、各階にある博物館の部屋を眺めながらようやく屋上へ到着。4階ほどだったな?
それなりに息が上がったが、さぁ、ドキドキしながら展望台へ、いざ!
シエナのドゥオモはファザードが圧倒される美しさだが、私はブルーの丸屋根と白黒の鐘楼を横から見たこの図が大好きである。
息はきれたもののそれほど登ったという感じはなかったが、一方にドゥオモ、もう一方に町が広がる眺めは大変すばらしい。
扇形のカンポ広場にマンジャの塔が聳える。密集した狭い路地が、中世の名残を感じさせる。
遠くに眺めるのは、オルチャ渓谷のアミアータ山である。天気のよい日は、南トスカーナを一望できる。手前にシエナの大地の色をしたレンガ色の建物が並び、奥には丘陵地の緑が広がり、その緑が次第に紺色と化し、その上に真っ青な空が伸びる。なんという色彩感覚!
教会付属博物館と展望台で入場料7ユーロ。時間のある方は是非、ご覧下さい。
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