8月シエナ訪問、パリオに賑わう町。
“Bomboniera”を思わせる街、シエナ。
Bombonieraとは結婚式の招待客に渡される記念のきれいな包装のかわいい砂糖菓子のこと。
シエナはこの砂糖菓子に似てこじんまりとした美しい街だ。
昔からフィレンツェとの間に勢力争いが絶えずライバル関係だが、その美しさも甲乙つけがたい。
昨日訪れたシエナは、夏の観光客と8月16日に行われるパリオのためにたいそう賑わっていた。パリオとは、シエナに聖母マリアが出現したとされるプロベンツァーノの聖母の祝日である7月2日と8月16日の年に2度開催される地区対抗競馬。
市内の17地区から10地区が参戦。以前は17全地区が参戦していたのだが、危険なため10地区に絞られた。この時期のシエナは街のあちこちに各地区の旗がかがげられ、赤レンガの街が彩られる。旗の紋章は、毛虫、ふくろう、ダチョウ、イルカなど動物にちなんでいるものが多い。
パリオの会場は、世界一美しいと賞賛される貝の形をしたカンポ広場。
すでに昨日、レース場には土がひかれ観客席が設けられていた。凝灰岩の土が約600トンが運ばれ、定期的に水をまいて馬場を固める。17世紀から18世紀に使われた土を再利用しているとか。
このレース、1周約1,000メートルの走路を馬が3周する。スタートラインの前後に2本の綱が張られ、10頭の馬が順番にその中に入っていく。
そして最後の馬が入ると前方の綱が下ろされ、レースが始まる。およそ90秒のレースである。
たとえ騎手が落馬しても一番にゴールした馬が優勝だ。カーブが激しいため、落馬は多々起こるようだ。優勝地区には、パリオまたはドラッペローネと呼ばれる優勝旗(シエナ人のあいだではチェンチョと呼ぶらしい。うちはチェンチョといえばモップを指す。なんとなくイメージが・・・)が与えられ、地区の美術館に永遠に飾られる。写真の優勝旗は太っちょ人物がトレードマークのボテロ画
昨年のレースで、1頭の馬が転倒した。かわいそうにこの馬、捻挫したのだが処置のほどこしようがないため、殺さない限り苦しむだけとのこと。この事件でパリオの必要性が問われたが、数日前からの催しを含めて4日間が2回の合計8日間にシエナの街全体が1年の準備期間を費やすという伝統行事、続けないわけにはいかない。今後、このような悲しいアクシデントがなるべく起きないことを祈るのみだ。
諸説はあるが、馬をつないでおくためのもの。昔はいたるところに馬がつながれて人々は街で買い物したり散策したりと想像すると楽しくなる。今では犬のふんに注意!だけど、馬のふん、注意!だったろう。馬のふんは踏んでも臭くないけれど・・・。まぁ、注意と言っても、人様の糞尿も落ちていた中世の町、馬の糞ぐらいではなんとも思わなかったであろう。
雌狼に育てられた双子の兄弟がシエナのシンボル。雌狼に育てられ双子の兄弟といえば、ローマ建国の祖ロムルス・レムス兄弟 が本家本元だが、弟レムスが兄ロムルスに殺されて、実は弟にもセニオとアスカニオという双子の兄弟がいた。双子はこのままでは復讐を恐れた伯父に殺されるかもと、神から与えられた白馬と黒馬に乗って北方に逃れて、シエナを建国したと言われている。セニオからシエナにということらしい。13世紀ごろに生まれた話らしいが、とにかく古代ローマつながりってところが重要!シエナのサッカーチームのユニフォームも白と黒。
シエナ名物パンフォルテは円盤状のお菓子。材料はドライフルーツやナッツ、小麦粉にはちみつなど。見た目はすごくこってりしているが、それほどしつこくない。お茶うけに。
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