ソヴァーナ観光へ。
南トスカーナの村ソヴァーナは、紀元前の先住民エトルリア人を起源とする「Città del tufo/凝灰岩の町」と呼ばれる村の一つだ。同じく「凝灰岩の町」であるピティリアーノとソラーノと、ソヴァーナをそれぞれ頂点とし、3つの村で三角形を成すように位置する。これらの村はエトルリア人の遺跡があることでも有名である。
ソヴァーナはソラーノ市の集落の一つであり、住民120人ほどの小さな村。しかしこの村が「町/città」となり得るのは、イタリアの「町」の概念が私たちのものとは異なるからである。一定の人口を越えると「町」と呼べるという一般的な概念もあるのだが、それ以外に、たとえ人口は少なくとも何か文化遺産があれば立派な「町」と認められるという考え方はいかにもイタリアらしい。こういうわけで、この小さな村ソヴァーノも立派な「町」なのである。
では、何がこの集落を「町」とするのか?
それは、ソヴァーナのドゥオモとなる聖ペトロとパオロ聖堂があるため。8〜9世紀に建築された教会は、トスカーナで最も美しいロマネスク様式の教会の一つに挙げられる。
幾度かの改築・増築を経ているので内部は異なる時代の様式が混じるが、堂々とした内部は小さな村にしては想像以上に大きい。明暗が織り成す美が魅力的である。夏至の候、内陣の細長い窓から入る光で教会に不思議な魅力が溢れる。
旧約聖書が刻まれた柱頭も面白い。
驚くことに、ソヴァーナは司教座教会。(とはいえ、ピティリアーノ・ソヴァーナ・オルベテッロで一つの司教区ではあるが)
司教座教会とは?かつて、それは権力を意味した。だから、ソヴァーナの教会が立派なのが頷ける。
豊かな装飾で飾られた扉。植物が水の流れように表現されていて、非常に美しい。立派な戦士と、本来は獰猛であるはずの、しかし至って呑気なライオンが入り口を監視している。
お土産屋も数件。
苔むしたライオンの給水場も、ソヴァーナの歴史を物語っている。
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