冬のスペッロ訪問
リクエストを頂き、ウンブリア州スペッロを訪問。アッシジまではツアーでご案内する機会があるのだが、そこから車で約30分行ったところの、小さな街は初訪問となる。
淡いピンク色の石で出来た街並みがとても愛くるしい。
これらの石はスペッロの背後に緩やかに続くスバジオ山から採鉱されたので、同じくスバジオ山麓の街アッシジと似た雰囲気を持つ。
スペッロの一番高い場所に山に向かって開く門は、門の跡と呼ぶ方が正しいのかもしれないが、古代ローマ時代のものである。小雨の日がまたしっとりと美しかった。
同様に古代ローマ時代の門でもこちらは堂々たるものだ。近くにヴェネレの神殿があったことからヴェネレの門と呼ばれているが、2000年もの間、絶えず人々がこの門の下を往来したと思うとエモい。
スペッロ訪問の魅力の一つは、路地。春には花祭りで有名な街だけあって、年中、花が溢れている。冬の主役は、シクラメン。
路地好き、写真好きにオススメの街である。春を呼ぶ花プリムラ(ん?それともヴィオラ?)の飾り方がおしゃれ。石畳と緑の相性の良さよ!こんな素敵な街でゆっくりと1泊するのも良いだろう。
スペッロの魅力は可愛い街並みだけでない。サンタ・マリア・マッジョーレ教会も訪れて欲しい。
なぜなら、バリオーニ家の礼拝堂で16世紀の画家ピントゥリッキオの美しいフレスコ画を堪能できるからだ。ピントゥリッキオはウンブリアを代表するルネサンスの画家の一人で、細部までこだわった物語性のある絵が特徴である。
赤と緑の床は、バリオーニ家の衣装の色である。礼拝堂の3面の壁に描かれたフレスコ画に包まれるようにして、美しい色彩を堪能していただきたい。
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